親子上場に異議の外資、NEC批判で政界接近

NECによる上場子会社支配を非難する米系ファンドが、水面下で永田町との距離を詰めている。

親子上場に異議の外資、NEC批判で政界接近

NECと半導体子会社の親子上場解消を求め、米投資ファンドが新たな攻勢を水面下で仕掛けている。

子会社NECエレクトロニクスの第2位株主であるペリー・キャピタルは3月下旬、NEC本体の株式を初めて取得した。取得数は1%未満とごく少数だが、株主として6月の株主総会で矢野薫・NEC社長に直接、親子上場の是非を問う考えだ。

さらにペリーは日本の国会議員との意見交換も重ね始めた。対アジア投資を統括するアルプ・アーシル氏は3月25日、民主党議員による公開会社法の勉強会に出席。上場企業にガバナンス強化を義務づける法律の制定を目指す勉強会で、同氏は、親会社が上場子会社に不利な戦略を強いることなど問題点を強調した。

ペリーはNECエレの不振について、NECによる過大投資の要請があるためと主張。矢野社長に昨年4月から複数回メールを送り、親子上場解消などを求めてきた。一方、矢野社長はペリーとの会談を一貫して拒否した。

政治家との”よい関係”

今回の勉強会は、アーシル氏が請われて参加した形。ただ、主催する大久保勉参院議員は「親子上場は資本市場の大きな問題で、ペリーの主張は支持できる内容だ」と語り、ペリーはロビー活動の効果を得られたともいえる。ペリーは自民党関係者とも公私で接触を重ねているもようで、アーシル氏は「日本の政治家とよい関係を築けた」と話す。

ペリーは日本で約10社に投資し、運用額は最大1000億円に達した時期もあった。だが、現在はNECとNECエレ以外の全銘柄をすでに売却。アーシル氏は「NEC問題は日本の投資価値を探る試金石。今後実りがなければ2度と日本に投資しない」と話し、ある種のいらだちをものぞかせる。

NECが今後会談に応じる公算はゼロに近い。が、NECエレ再建には本腰を入れざるを得ない状況だ。過去2期、抜本的な再建策は示されず、中島俊雄社長はじめ経営陣の刷新もなかったNECエレ。従業員は給与カットに耐えたが、2007年度末にはついに希望退職募集に踏み切った。NECエレをグループに抱え続け、成長につなげる絵を矢野社長がどう描くか。NECの6月総会に世間の注目が集まることは必至だ。
 (杉本りうこ 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済)

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