成績「オール3」、選んでいるのは子供自身だ 他人に嫉妬するくらいなら「道」を変えよう

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この状態であれば、まだ適当に「行きたい!」と言っている状態なので、途中であきらめることでしょう。ですから、このやりとりを繰り返して、「はい!」と言える状況になるまで、勉強を教えるという次のステップには進めないのです。もちろん、その場で決心しても、日が経つと、決心が揺らぐことがありますので、フォローをしていきますが。

家庭でできる「4つの語りかけ」

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さて、私は生徒をこのように指導してきましたが、ご家庭においては、どうすればいいのかということですが、次のようなステップでお話されるとよいでしょう。

1.「今の自分の成績は、自分で“予定”した通りの状況である」ということを認識させる。

2.しかし、自分で選択を変える決心をすることで、コースが変わるようである(もし、保護者の方が、この考え方でいけるという確信めいたものがある場合は、「変わる!」と断定形で話されてもいいですが、そうでない場合は、伝聞的に「そう言われている」と語ってもいいでしょう)

3.「その選択したコース(一般的に今よりも上のコースになる)でいくには、もちろん『勉強する、授業態度をしっかりする、提出物をしっかり出す』という当たり前のことをやるようになるが、それでもそのコースを選択するか?」と確認する。

4.もし、現状のコースで安住するならば、条件がある。決して、自分より上のコースを行く人に対して、羨ましがったり、妬んでみたりすることは決してしてはならない。つまり、不平不満を漏らしてはならない。

不平不満の源泉は、自分自身の選択にあるということを教えてあげたうえで、「新しいコースを決心し、その決心を変えずに進んでいく人は、必ず伸びていくのである」ということを最後に伝えてあげるといいでしょう。ご家庭では適宜、上手なフォローが必要になりますが、基本的にはあまり干渉せず、本人の選択を応援するというスタンスがよろしいかと思います。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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