いい音を求める人に教えたい「スピーカー学」 たったこれだけで、音が劇的に変わる!

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ほとんどのオーディオ雑誌では「機器自体のよしあし」についてのみ語られていますが、本当にすばらしい機器であっても、部屋によってその音は随分変わります。特にスピーカーでは顕著です。なぜでしょうか?

中学校の物理で習ったと思いますが、音は「物体の運動から生じる空気の振動」です。この空気の振動は四方八方に伝わります。聴き手の耳以外の場所にも当然届き、壁面まで到達します。壁面に到達した音は一部が壁面に吸収され、一部は反射され、さらにその一部が反射音として聴き手の耳に届きます。

この機器の音と部屋の反射音が混ざった音を我々は必ず聴いていることになります。ですから、部屋の音響特性を無視した状態で機器だけのよしあしを論じるのは、バランスを欠くのです。

「じゃあ、やっぱり部屋をつくり直すの?」という話になりそうですが、実は一般の家屋であればそこまでやらなくても、ほどほどの音響調整は可能なのです。

正しく設置されなければ高性能スピーカーも意味なし

具体的に見ていきましょう。

第1にスピーカーの設置場所です。ブックシェルフ型(デスクトップ型)スピーカーだからといって、文字どおり本棚に置き、背面をぴったり壁面にくっつけていませんか? この設置方法はほとんどの場合、見栄えはよくても音響的にはNGです。小型スピーカーであっても、最低20~30cm以上は壁面から離すべきです。

第2にスピーカーの高さです。耳の高さよりやけに低かったりしませんか? スピーカー――特に高音を担当するツイーターと呼ばれるスピーカーは、耳の高さに近くないと本来のスピーカーの能力を発揮できません。

第3に左右のスピーカーの高さです。左右のスピーカーの高さは同じですか? 左右のスピーカーの高さは必ずそろっているべきです。人の耳は左右の音の差だけでなく、上下の音の差も認識するからです。

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