ヤマ発、株主が「五郎丸の他社CM出演」に苦言 ヤマハ発動機、株主の興味は4輪参入に五郎丸

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2015年12月期決算を受け、ヤマハ発動機の定時株主総会が開催された。参会者は過去最高だった

2輪メーカー大手、ヤマハ発動機は3月25日に定時株主総会を開催した。会場は静岡県磐田市の本社で、JR磐田駅からはやや距離がある。そのため、ヤマハ発動機は大型観光バスをチャーターし、株主を駅から本社まで送迎している。

バスの中で、愛知県豊橋市から来た株主(男性・80歳)は「2輪車以外にも、船外機など事業が幅広いのが面白そうだ」と声を弾ませた。

今年の出席者は527人(前年427人)と過去最高を記録。所要時間は91分と、前年の91分と変わらなかった。柳弘之社長が冒頭に30分ほど、事業報告と対処すべき課題について説明。その後、10人の株主から計15件の質問を受け付けた。

その後、会社が決議事項として提案していた配当や取締役選任の件など4つの議案は賛成多数で、滞りなく可決された。

株主と経営陣の主なやりとりは以下の通り。

株価対策やROEを会社はどう考えるのか

――2015年夏に3,245円の高値をつけた株価が、足元1,800円前後まで下落しているのが気掛かりだ。株価の変動に為替の影響が大きいのか。どういった株価対策をしているか。

篠﨑幸造常務(財務担当):株価について心配をかけて申し訳ない。株価の変動にはいろいろなファクターが絡んでいるので具体的な説明は控えるが、方針としては既存事業の収益性を高めて1株当たり利益を着実にあげることで、自己資本比率を向上させる。1株当たり利益の今期予想は229円(過去最高は2006年の270円)だが、中期的には300円を超えたい。配当性向を30%に引き上げたことで、株主還元も強化していく。

――新中期経営計画で掲げたROE(株主資本利益率)15%という目標の意味を教えてほしい。

常務:ROEは会社の収益性、資産効率、財務の健全性の3つを反映した数値で、企業価値を総合的に評価する指標だととらえている。海外売上高比率が9割と高いので、カントリーリスクもあれば、資金調達もコストが高くなってしまう。こうした状況下で安定して成長していくには2ケタのROEが必要だ。

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