セミナーレポート

ソーシャルテクノロジーとソリューションの活用で企業価値を高める

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事例講演2
経営戦略としてのワークスタイル変革におけるソーシャルテクノロジー活用の道のり

石野普之
リコー 執行役員
コーポレート統括本部副本部長 ビジネスプロセス革新センター所長

 リコーは22年前からコミュニケーションのグローバルな基盤づくりを目指して変革を進めてきた。ワークスタイルの変革を提案し、トップからボトムまでのフラットなオープンコミュニケーションを支える基盤の一つとしてSNSの導入も行ってきた。その過程で「変革を促すにはラインの外からの力が必要と判断し、若手と中堅中心の専任チームを発足させた」と石野氏は語った。

 このとき、石野氏らは仕事の見直しで30%の工数削減という目標を設定。一例として、会議のための移動の無駄を減らすためにテレビ会議や電話会議を増やし、会議そのものの回数も減らした。さらに、課題はSNSやメールでリアルタイムに共有するようにすることなども実行した。こうしたことを、まず自組織で展開、先行事業部で展開、全社展開という3ステップで実施。今も試行錯誤しており、非常に苦労してきたが、工数削減の成果は上がっているとした。そして「SNSを導入すればよくなるのではなく、それをトリガーに仕事の仕方やマネジメント、価値観をどこまで変えられるかが重要」と指摘して話を終えた。

パネルディスカッション
ソーシャルテクノロジーがもたらす未来と現在の壁

一野忠男
ボッシュ 情報システム部門 エンタープライズ2.0 プロジェクトマネージャー

田口 潤
インプレスIT Leaders
編集主幹
●登壇者
ボッシュ 情報システム部門 エンタープライズ2.0 プロジェクトマネージャー 一野忠男氏
ライフネット生命保険 岩田慎一氏
リコー 石野普之氏 
●モデレーター
インプレスIT Leaders編集主幹 田口 潤氏

 ボッシュでは、グローバルで約75%の社員が社内SNSを使うことができるようになっている。同社の日本におけるビジネスのメインはBtoBだが、渋谷のオフィスにはカフェを開き、一般消費者が同社の情報に触れる機会を設け、オンラインとリアルのコミュニケーションをコラボさせている。またSNSを使い、4週間要していたプロジェクトの準備を6日間に短縮するなどのアウトプットも出している。トップマネジメントと社員が直接コミュニケーションできるコミュニティも立ち上げているなど、一野氏は同社の取り組みを説明した。

 一方、リコーの石野氏は、「必要以上にやることをやめる、というのがキーワード」だとしたうえで、「中間管理職の意識を変え、仕事の仕方を変えないと会社は変わらない」と指摘。いろいろなコミュニケーションツールを、フェーズに応じて使い分けたり組み合わせたりすることも大事だと述べた。

 ライフネット生命保険の岩田氏は、出口会長に対して20代の社員がソーシャルメディアを活用するように要望し、「経営者が自らやることがマーケティング上で大事。そうすれば必ずキラーツールになる」と語ったエピソードを紹介。出口会長が自ら体験した後、ほかの役員やミドル層にも指示したことで全社的に広がったと説明した。

 こうした話を受けてモデレーターの田口氏は「企業も変化しないと生き残れない大変な時代」と指摘し、「SNSなどのコミュニケーションツールを導入すると、人による発信力の違いが可視化される。そこからさらに改革の努力を積み重ねていくことが必要だ」とまとめて、パネルディスカッションは終了した。

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