日本と韓国が理解しあえない根本的な原因 やはり日本はもっと努力が必要だ

✎ 1〜 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 最新
拡大
縮小

木本:これまで先送りしてきたのに、頑な態度が前向きになったのはなぜでしょう。

美根:オバマ大統領の度重なる要請と、国内の経済界の要望がじわじわと効いてきたことが大きいのではないですか。

政治より経済のロジックが強いほうがいい

木本:そこは日本との関係緩和にも繋がっていることですね。

美根:その通り。結局、政治問題が常に先で、歪んでいました。それが無くなると、経済的なロジックが大きな意味を持ってきました。しかし、中国と疎遠になるかというとそうではなく、最大の貿易相手国ですから、そこは変わらない。日本との関係でも、一位ではありませんが、日韓貿易は大事で、資本財の輸入は韓国の成長や輸出にとっても必要です。日韓間でも中韓間でも経済関係は重要ですから、政治関係よりも前面に出るのはいいことです。政治からの圧力で歪んでいたものが、重しが取れて正常化したという側面がありますね。

木本:バランスが取れてきた。もっと早くいい関係になれれば良かったのに。

美根:なかなかそうは上手く行かないわけです。

木本:オバマさんの要請もあったし、タイミングも大事だったのですね。

美根:それから北朝鮮の挑発行動で、韓国は中国に対する不信のようなものが芽生えた。やるべきことをやっていないと朴さんは思ったのではないでしょうか。

木本:いろんな条件が重なってようやく関係改善に進展していったのですね。しかし時間がかかりますね。

美根:日本としては韓国のことをもっと知らないといけません。なぜ韓国の態度がこれだけ変わったのかは大きな問題なんです。関係が改善するのはいいけれど、悪いほうに変わった時には、なぜかというのことをきちんと理解しなければいけません。

木本:今回のケースは30度や90度じゃなくて、180度変わりましたからね。そこをきちんと理解できて、たいへん勉強になりました。ありがとうございます。

(構成:高杉公秀、撮影:梅谷秀司)

木本 武宏 タレント

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

きもと たけひろ / Takehiro Kimoto

1971年大阪府生まれ。1990年木下隆行とお笑いコンビTKOを結成しツッコミを担当。2006年、東京へ本格的進出。S−1バトル優勝、キングオブコント総合3位などの受賞歴がある。現在は、ドラマやバラエティなどピンでも活躍中。最近ライザップで肉体改造に成功。今度は知力を改造して新境地を開く野望を持っている。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT