「平均年収が高い」トップ300社ランキング 今回もマスコミや商社が上位を独占

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そして、9位に入ったのがファナック。工作機械用NC(数値制御)装置で世界首位のメーカーで平均年収は1277万円、前年の37位から大きく順位を上げた。他には、全国紙(12位・日本経済新聞社、13位・朝日新聞社)や、不動産(11位・ヒューリック、14位・住友不動産)、証券(15位・野村證券、16位・大和証券グループ)などの業界も上位に目立つ。

初任給で待遇を判断するのは無意味!

初任給は各社ごとに差があっても、せいぜい数万円程度のはず。それが平均年収になるとご覧のように大きな差になって表れるのだ。ちなみに、キーエンスの大卒初任給(20.5万円)は、トップ300社の平均よりも低かった。初任給で待遇を判断することは、基本的に無意味であることがお分かりだろう。

ところで、ランキングを見る上で、注意してほしいポイントが3つ。まずは、平均年収を見る際は、平均年齢もあわせて見ておくことだ。同じ年収なら年齢が若いほど、生涯賃金で見れば多くもらえる計算になるからだ。

『就職四季報 2017年版』。表紙画像をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

もう1つ、平均年収は有価証券報告書に記載のものと、『就職四季報』のものとでは異なる場合があることだ。「どちらが正しいのか」との質問をいただくこともあるが、前者が全従業員ベースであるのにに対し、後者は原則として大卒総合職や非現業職ベースの数値であり、どちらも正しい。本ランキングの注記には、基準を明示してあるのでご覧いただきたい。

最後に、今回ご紹介した平均年収は、現時点のものであり、その会社に入社してその年齢になったらもらえる額という訳ではない点だ。業界や企業の成長性、今後の注力分野なども見極めておくべきだろう。

企業研究で大事なのは、業種ごとの特徴や傾向を見極めた上で、さまざまな基準で会社を比べることだ。比べることで、データの水準がわかり、その良し悪しも自ら判断できるようになる。『就職四季報』には、今回ご紹介したデータ以外にも働きやすさを示すデータなどが満載だ。繰り返し使うことであなただけの「良い会社」をぜひ見つけていただきたい。

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