民主党は豹変に躊躇するなかれ、問題が多いいくつかの政策公約

民主党は豹変に躊躇するなかれ、問題が多いいくつかの政策公約

総選挙での民主党の圧勝ぶりは、事前の世論調査の結果から予想されたこととはいえ、やはり衝撃的だった。民主党がマニフェストに掲げた政策は、今後着々と実行に移されよう。あの勝ち方からして、民主党の議員たちは、当然、マニフェストが有権者から圧倒的に支持されたと考えているだろう。

しかし、選挙の最大の争点が政策対立だったかといえば、必ずしもそうではない。本当の争点は、民主党自身が訴えた「政権交代」だったのではないか。民主党に投票したすべての有権者が、民主党の政策を支持していたとは言い切れないのだ。

そこで政権交代が現実化した今、民主党の政策公約の問題点について指摘しておきたい。

なぜ一律の無償化か

まず、公立高等学校授業料の実質無償化。筆者は、国公立学校の授業料は本来かなり低額であるべきだと基本的に考える。だが、現在、財政にはその余裕があまりない。

もちろん、鳩山由紀夫代表が指摘しているように、「母子家庭で、修学旅行にも高校にも行けない子どもたちがいる」(民主党マニフェスト)のは確かである。教育の機会均等は、国民の機会平等性を確保する最大の要素だから、ここに政治が手を差し伸べることはまったく正しい。

しかし、それならなぜ“一律”なのか。所得水準や子どもの人数によって高校授業料が家計にもたらす実質的な負担感はさまざまである。子ども1人の富裕世帯と、複数の子どもを持つ低所得世帯では教育支出に対する実質的負担感を同一に語ることはできない。そうした差を無視し、誰でも一律に無償とすることは、限られた財源の使い方としてあまりにムダが大きい。教育費に困窮している家計を財政が支援するという本来の趣旨にも反する。

また、補助金のバラマキは見方を変えれば「負担のバラマキ」でもある。高校授業料への家計支援は、所得などの制限を設けるべきだ。

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