【産業天気図・2009年後半~2010年前半】厚い雲が張り付いたままの日本産業界、本格回復の道のりは遠く長く


 一時期の土砂降りから雨足は弱まりつつあるものの、厚い雲が空を覆う膠着状態--。日本産業界の空模様を手短に言い表すならば、こんな状態だろう。

 「会社四季報」記者の見立てによると、日本産業界は受注底ばいの最悪期(雨)こそ脱したものの、今回新たな予想期間となった2010年度前半に入っても、大半の業界で本格回復とは言い難い「曇り」=黄信号状態が続きそうだ。

 2009年度後半については、需要底入れや市況回復などを背景に、「パルプ/紙」や「非鉄金属」「ソフト/サービス」が前回の「雨」予想から「曇り」へ上方修正されたが、ほとんどの業界は前回(09年6月時点)通りの予想となった。一方、荷動き、市況ともに空前絶後の落ち込み状態となっている「海運」は、前回予想の「雨」から、「土砂降り」予想へと後退した。

 ただ、10年度前半になると、「現状よりはマシ」という業界が増えてきそう。いずれも、今10年3月期を底に需要が徐々に回復するとのシナリオに基づいたもので、たとえば09年後半まで「雨」が続いていた「建設機械」や「半導体」などは「曇り」へと回復する見込み。また、市況高騰に沸く「非鉄金属」は、久しぶりに日が差しそうだ。

 とはいえ、多くの業界は、ひとまず「真っ暗闇」からは脱するだけで、受注動向については好況に沸いた07年度とは比べものにならないほど低調な状態、という基調に変わりはなさそう。

たとえば、「自動車」は09年度後半の「土砂降り」から10年度前半には「雨」へと“回復”するが、各国による新車購入奨励政策による“人工的な浮揚策”の反動が懸念されることもあって、低迷期が続く見込みだ。また、「半導体」についても、10年年明け以降の受注動向は不透明との見方が大勢だ。

 10年度前半を回復期と見るのは時期尚早だろう。それどころか、最悪期は脱したとはいえ、足元では最終消費の回復は鈍く、低価格志向は強まるばかりだ。すでに、多くの企業は無駄の排除などの徹底的なコスト削減に励んでおり、これ以上の「雑巾しぼり」はもはや厳しい状況。各企業にとっては、長引く膠着期を打破するようなイノベーションがより一層求められることとなりそうだ。

→次ページに主要業種の天気予報図の一覧
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