【産業天気図・建設機械】建機業界は総需要半減の緊急事態。が、企業には耐久力あり

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  09年10月~10年3月    10年4月~9月

 世界需要の壊滅的な減退に立ちすくむ建設機械業界。「土砂降り」の現在から、09年度後半には雨が上がりはじめ、10年度前半には薄日が差し始めるのではないか--。業界はそんな期待を抱いてきたが、ここへきて回復の遅れがはっきりとしてきた。

日本建設機械工業会は2月と8月、正会員会社74社を対象にしたアンケート調査に基づいて需要予測を発表している。それによると、09年度の出荷台数は前年度比42%減となる1兆1370億円。前回の2月の需要予測を3割以上も下方修正するものだった。

09年度の前回予測は、前半の出荷額が8379億円、後半が8097億円で、通期では1・6兆円。これは、半期だけで1・2兆円もの実績があった08年度前半と比べると大幅な減少だが、世界金融危機の直撃を受けた08年度後半の7434億円から見れば、輸出を中心に需要は底を打つという内容だった。

ところが、今回の予測では、足元の09年度前半について出荷金額を約2700億円引き下げ、5668億円と前年度の半分以下にまで減額。また、後半についても約2400億円引き下げて5702億円とした。つまり、これまでの期待をすっぱり捨て、09年度いっぱいは底ばいが続くとの見通しに転じたのである。

さらに、今回の予測で初めて発表となった10年度については、前半を6537億円、後半を6735億円とした。わずかに回復はするものの、その水準は前回予測時点での09年度予想より2割も低いものだ。建機業界がいかに需要の本格回復について悲観しているかがわかる。

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