【産業天気図・ソフト・サービス】IT投資削減続き曇り続く、海外進出組と中小企業の差が鮮明に

予想天気
  09年10月~10年3月    10年4月~9月

 ソフト・サービス業界の2009年度後半の天気は、景気後退によるIT投資削減の傾向が続くため「曇り」となる。10年度前半も、IT投資意欲の回復は景気に対して遅効性があるため横ばい状態が続き、「曇り」と予想する。

日銀短観によると「ソフトウェアを含む設備投資額」(09年6月調査)は、製造業は前年度比で25.4%減、非製造業で5.5%減、全産業では12.7%と大幅な落ち込みをみせている。各社はソフト開発コスト削減のため外注を減らし、内製化を進めるなど対策を講じるが、投資回復には時間がかかる模様だ。

国内市場の回復が望めない中、システム開発大手のNTTデータ<9613>、富士通<6702>は海外展開を本格化させる構えだ。NTTデータは海外売上高を現状3倍の3000億円まで押し上げるため、中南米や南アフリカなどの地域で買収先を模索している。海外拠点数を増やすことで、海外で事業展開する日系企業の受注を取りに行く考えだ。富士通は海外子会社を活かし、英国や豪州の官公庁などからシステムのアウトソーシングを受注。海外事業に投資する余力がある大手では、海外での成果が今後の焦点となってくる。

一方、大企業から委託を受けてソフトを開発する2次請け、3次請け中心の企業は危機を迎えている。家電や自動車メーカーは軒並み新製品開発を抑制しており、開発ソフトの受注数は縮小傾向が続く。こうした中、家電や自動車向けの制御ソフトを柱にする富士ソフト<9749>も、顧客の新製品開発抑制に伴うソフト開発需要激減によって、今10年3月期の営業利益は前期比6割減になると「東洋経済オンライン」では見ている。

規模を活かし海外開拓に賭ける大手メーカーと、内需に依存してきた中小規模のメーカーの経営環境の差は鮮明となってきた。単独での生き残りが厳しさを増す中、売上高1000億円規模のシステム会社が次々に親会社との関係を深めている。

富士通ビジネスシステムは富士通の完全子会社化となり、日立ソフト<9694>と日立情報システムズ<9741>も日立の完全子会社となる予定だ。今後、売上高1000億円規模で、大企業の後ろ盾がない富士ソフトやCSKホールディングス<9737>など独立系の企業を取り巻く環境はさらに厳しくなるだろう。

(麻田 真衣)

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