【産業天気図・AV家電】10年度前半まで「曇り」、消費回復弱く同業提携、事業撤退模索の展開へ

予想天気
  09年10月~10年3月    10年4月~9月

 家電・AV業界は2009年度後半から10年度前半まで「曇り」が続く見通し。世界的に急収縮した消費の底入れと、主要メーカーの在庫調整一巡の効果で生産設備の稼働状況は回復が見られる。ただ、消費の本格回復には依然至っておらず、薄型テレビ等の価格下落も厳しい。消費を動かす大型イベント・政策も新たには見込まれず、この状況が続けば主要企業の間で生産・開発提携、事業撤退の動きが加速する可能性がある。

経済産業省生産動態統計によると、薄型テレビやカーオーディオといった民生用電子機器の生産額は6月、2007億7000万円で、前年同月比79.4%に回復した。09年に入って最高額であり、前月比でも8.5ポイントの改善だ。また7月の輸出額も770億9200万円と同65.9%、前月比10.1ポイントの改善を示している(財務省輸出貿易統計)。

ただ、家電の主要消費国である米国では雇用不安が深刻化、家計部門のバランスシート調整が長期化する見通し。家電消費の本格回復は当面期待できない。日本国内では省エネ家電の購入促進政策(エコポイント制度)が下支えとなっているが、この恩恵も来春には剥落する。今後は新興国市場が成長回復のカギだが、国内主要3社(ソニー<6758>、パナソニック<6752>、シャープ<6753>)とも新興国開拓は韓国サムスン電子やLGエレクトロニクスにはやや出遅れている。

主要3社の09年度業績予想はいずれも減収増益または赤字縮小となっており、人員削減、生産拠点見直しといった合理化策で採算改善したに過ぎない。こういった中、ソニーとシャープの液晶パネル生産合弁、シャープの中国電機大手への旧世代パネル生産設備売却・技術支援といった動きが出ている。重電メーカーである日立製作所<6501>、東芝<6502>は、家電事業そのものの継続判断の時期にあるといって良いだろう。今後1年間は、主要企業の間で事業モデルを再構築する経営判断が続くとみられる。

こういった大手以外の、パイオニア<6773>やJVC・ケンウッド・ホールディングス<6632>といった中堅層は依然として社債償還などのファイナンスイベントが注目点である。

(杉本 りうこ)

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