カシオ計算機は携帯電話端末事業をNEC、日立との新会社に統合、開発費や資材購入費の低減など狙う

カシオ計算機は携帯電話端末事業をNEC、日立との新会社に統合、開発費や資材購入費の低減など狙う

カシオ計算機は、日立製作所との合弁会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ(CHMC)を中心に行っている携帯電話端末事業について、NECと事業統合を行う。

3社は、2010年4月にNECを親会社とする新会社NECカシオモバイルコミュニケーションズを設立し、開発、製造、販売、保守など携帯電話端末に関連するすべての事業を統合する予定。6月に行う増資後のカシオ計算機の出資比率は20%となり、従来子会社で運営していた携帯電話端末事業は、今後持分法適用会社で行っていくこととなる。

事業統合の狙いの1つは、資材購入の際のボリューム効果や新機種の開発費負担の分担などにあるとみられる。カシオ計算機でも、07年度にW−CDMA方式対応機種の開発費負担が重しとなり事業赤字となったほか、黒字化した08年度も低水準の利益にとどまったもよう。

割賦販売制度の導入と市場の成熟化で携帯電話端末の国内市場がジリ貧状態のなか、「生き残りをかけ、業界内で早めに良い形で組むため統合を進めた」(大武章人NEC専務)。

現在、NECは埼玉日本電気で、CHMCはカシオ計算機のマザー工場である山形カシオや日立製作所子会社の東海テックで組み立てを行っている(そのほか、海外EMS企業への製造委託も利用)が、新会社では「当面は既存の生産会社を残すが、将来的には生産集約を考えていく」(同)方針だ。生産拠点統廃合の時期は、2011年度以降となる見通し。

新会社設立後、カシオ計算機の出資比率は現在の51%から20%にまで低下する。今回の事業統合の決断は、携帯電話端末をコア事業の位置付けから外すという意思の表れともとれる。

カシオ計算機の高木明徳常務は、「グローバル市場で勝ち抜くための戦略を考え、ブランド力、キャリアとの関係について、3社でシナジーが生まれることを最も重視した。出資比率は重要ではない」と、今後も同事業がカシオ計算機にとって主力事業であることに変わりがないことを強調した。だが、樫尾和雄社長が既存事業とまったく異なる新事業立ち上げの構想を表明しているなか、従来はデジタルカメラと並ぶ成長牽引役としていた携帯電話端末事業の、カシオ計算機における位置づけが今後低下してくる可能性は否定しきれない。

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インテル中興の祖、アンディ・グローブ。数々の英断で、プロセッサー半導体市場で無双の企業を作り上げた。グローブの愛弟子である、インテル全盛期のトップが語る技術経営の神髄。