「本当に就職率の高い大学」100校ランキング 理系は就職有利?上位20校で11校は工科系

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実験や研究を通じてPDCAを実践。写真は金沢工業大学(撮影:尾形文繁)

学生数が多い大規模大学は、小規模大学に比べると就職支援が行き届きにくい。そうした状況にも関わらず就職率が高い大学にはどのような特徴があるのか。就職者数÷(卒業生-大学院進学者)で算出した「実就職率」を基に、卒業生が1000人以上の大学について見ていく(同率表示でも順位は小数点第2位以下を基に掲載)。

実就職率ランキングを見てまず気がつくのは、工科系大学が多いこと。トップの金沢工業大をはじめ、愛知工業大、芝浦工業大、名古屋工業大、大阪工業大など、上位20校中、工科系大学が11校を占めた。

PDCAを回せる工科大生に強み

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工科系大学の就職力が高いのは、実験や研究などを通して、「計画」→「実行」→「点検」→「改善」といった、社会人に求められるPDCAサイクルを回せる学生が多いからだといわれる。

ランキングでトップの金沢工業大は、教育・研究を通してPDCAサイクルが身につく、「プロジェクトデザイン教育」を実践する。学生同士がチームで取り組むことが特徴で、「プロジェクトのテーマを選定」→「テーマについてユーザーが求めている視点を議論」→「アイデアの評価・選定」→「試作品の作成」というプロセスを踏んで実践力を養成するものだ。

金沢工業大は、15年卒の学生の55%が大手上場企業に就職しており、就職者の量と質ともに高いレベルにある。

2位の福井大は、卒業生が1000人以上の国立大で実就職率が8年連続のトップ。在職3年以内の離職率が30%といわれる中、同大は7%ととても低い大学でもある。単に就職させるだけではなく、納得できる企業に多くの学生が就職しているということだ。

3位以下は伝統のある工科系大学が並ぶ。愛知工業大は1912年に創立した名古屋電気学校を母体とする。長い歴史の中で多くの卒業生が名古屋を中心に活躍しており、後援会組織の愛名会が就職のバックアップをしている。

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