金正日の遺言 井野誠一著

金正日の遺言 井野誠一著

後継者問題が改めて注目されている北朝鮮の金正日総書記。本書は金正日ファミリーの人間模様、政治実態を丹念に追ったインサイドストーリーだ。

本書では、金総書記は「遺言」を作成しつつあり、後継者の名もすでに記したとする。三男の正雲に内定との報道もあるが、本書では断定を避け、長男・正男が「本家の長男」として担ってきた役割にも目配りする。第一候補に何か不都合があれば、金総書記はためらわずに遺言を書き直す、判断基準は何よりも金ファミリー支配体制の維持だ、というのが著者の結論。同時並行で事態が動き、情報も錯綜する中、やや歯切れが悪い面があるのはやむをえないだろう。

とはいえ、核開発と対話という硬軟両カードを使い分ける北朝鮮外交の根底にあるのも、まさに金ファミリー体制の維持。その「実体と“生理”」(本書まえがき)を知ることは、日本の外交、安全保障を考えるうえでも有益だろう。

朝日新聞出版 1470円

Amazonで見る
楽天で見る

関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチAD
半導体の覇者<br>熱狂する世界、沈む日本

今やアップル、グーグルも半導体メーカー。半導体関連株はITバブルに迫る高水準。トップ10にアジア勢が並ぶが、日本は事業売却に揺れる東芝のみ。勢力図激変の業界をリポート。