「灘→東大理Ⅲ」3兄弟の母が教える"必勝法" 中学受験で親がやるべき「勉強プラン作り」

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佐藤 亮子(さとう りょうこ)●大分県出身。津田塾大学卒業。大分県の私立高校で2年間英語教師として勤務。結婚後、奈良県に移住し長男、次男、三男、長女の順で4人を出産。長男、次男、三男が揃って難関私立の灘中学校・灘高等学校(神戸市)に入学。3人の子どもたちは体育系クラブや文化祭で活躍、中高生活を謳歌しつつ勉強にも打ち込み、東京大学理科Ⅲ類(医学部)に合格。3兄弟揃っての東大理Ⅲ進学は珍しく、母の育児法・勉強法が注目される。現在は長女の大学受験をサポートしながら進学塾などで講演。テレビ、雑誌などメディアでも発言している

子どもが宿題に時間がかかりすぎていたりすると、ついつい勉強を教えたくなる親も多いが、それはやめた方が安全だと佐藤ママは言う。

「中学受験の問題は小学生向けとは思えない難問もあり、大人でも歯が立たないことが多いのです。また、親がかつて習った解き方と、塾で教える解き方が異なる場合もあり、親が勉強を教えて子どもが混乱してしまうケースもあります」

親の役割は「勉強を教えること」ではなく、①宿題のチェック、②テストの見直しと、③勉強のプランを立ててそれを実行するための手助けをすること、と心得るべきだ。

では、佐藤ママの勉強法のキモというべき「スケジュール管理のエッセンス」を紹介しよう。

「1日」「1週間」のスケジュール管理のコツ

佐藤ママは、スケジュール管理を1日、1週間、そして長期の休みに分けている。

1日のプランは、大学ノートに内容を記入していた。子どもが塾から帰宅した時に、その日に勉強する内容がすぐにわかるように、ノートを勉強机の上に置いていたという。

記入の方法は、「18:00~18:30 算数問題集P20~30 30分」「18:30~19:00 漢字プリント NO2、3 30分」など、テキストのページを指定し具体化することが重要。こうすれば子どもが迷わず、その日にするべき勉強に集中できる。

「小学校で運動会の練習などがあって、子どもが疲れているようならば、比較的負担の少ない知識を暗記する勉強を主にするなど、その日の体調によって時間割を変えましょう」

1週間のスケジュールはノートではなく、A4の紙を使用。学校の時間割のように、それぞれの曜日を線で区切って、塾の授業科目をまず記入する。さらに帰宅後の勉強スケジュール(科目名)を記入する。こうすることで、毎日の塾からの帰宅時間と、家庭での学習スケジュールがひと目でわかるようになる。

毎日の家庭学習で「どのテキストの何ページを勉強するか」は、先述した「1日のスケジュールノート」に記入することになる。

無理が効かない小学生には就寝時間の管理も重要だ。「5年生以上になると、週4日から5日も塾に通うことが多くなります。塾がない日は、いつもより30分早く就寝するなど体力にも配慮が必要です。基本の就寝時間は、4年生は22時30分、5年生は23時、6年生は23時30分としていました」

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