潜入!これが「トワイライト瑞風」製造現場だ 期待の新型豪華列車の"素顔"をのぞいてみた

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作業員の動作を見ていると、デッキ内は意外と広いことがわかる(撮影:尾形文繁)

展望デッキの中で研磨を行っている作業員もいる。CG画像では展望デッキのイメージがわからなかったが、作業員の動きを見ていたら、デッキ内が結構広々としていることがわかった。

「定員が何人と決まってはいないが、大人3~4人は立てます」(JR西日本)

CGによる完成イメージは、いかにも特別に造った豪華列車という雰囲気が漂うが、目の前にある鋼体を見ていると、その形状は一般的な在来線の特急列車だ。展望デッキをそのまま鋼体で覆ってしまえば、シルエットはボンネット型の特急列車のようにも見える。

「既存の列車の設計を流用したということはなく、ゼロから設計しているが、高運転台の列車ということになると、どうしても似てしまう」と、JR西日本・車両設計室の大森正樹課長は言う。

瑞風にも息づく安全設計

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「サンダーバード」などに使われる683系も高運転台だ

高運転台とは、通常よりも運転台が高い位置に設置されていることを指す。

たとえば、JR西日本の特急「サンダーバード」などに使われる683系では、運転席のある車両同士を連結しても乗客が車両間を行き来できるよう、貫通扉を設けており、その上に運転台を設置している。

瑞風は展望デッキの上に運転台を設置している。その設計の根底には、JR西日本がこれまでに開発してきた在来線列車の安全設計の蓄積が随所に生かされている。

「表面は華やかになっているかもしれませんが、構造はきちんと安全に作っています。JR西日本の安全思想を、この瑞風でも感じてくれるとうれしい」(大森課長)

パテ研磨が終わると、いよいよ展望デッキの上に5本のラインによる手すりが設置される。この取り付けが完了すると、より瑞風らしくなってくるだろう。

川崎重工業が製造している一部の車体では、すでに塗装が完了している。近畿車輛による製造車両も、パテ研磨を経て、塗装工程に突入する。

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