鈴木おさむ直伝!「絶対ウケる企画」の作り方 どの業界にも通用する10のルール<前編>

拡大
縮小

僕はこの仕事を始めて1年目に、先輩に「映画を見ろ」と言われて、もともと映画が好きだったので、「必ず1日に1本見る」と決めました。

最初の1、2年はまったく効果がなかったのですが、ちょうど3年経った頃、何か企画を考える際、映画で見たシーンがフっと頭に思い浮かぶようになったのです。

アイデアが出ない、引き出しが少ないと悩んでいる人は、とにかく好きなことにとことんのめり込んでみるといいでしょう。

映画選びのポイントは、周りの人の好きな映画ベスト3を聞いて、自分の趣味じゃなくても見てみること。その相手との共通点ができるし、自分の守備範囲以外のことも知ることができて、めちゃくちゃ役に立ちます。自分が好きなことに徹底的に詳しくなって、何かあった時に「あいつに聞けばいい」と思い出してもらうぐらいになればベストですね。

(5)誰も気づいていない「いま」を見つける
書影をクリックするとアマゾンの販売ページにジャンプします

ヒット企画には必ず「いま」があります。でも、テレビや雑誌が扱い出したら、もう遅い。リアルに街の中で流行っているところが本当の「いま」だったりします。

ここ1年、ギャルモデルの今井華ちゃんと仕事をしたことをきっかけに、よく話すんですけれど、彼女はやたらと「場面」という言葉を使う(笑)。

おっさんたちは気づいてないことですが、それがまさに「いま」なんです。だから、流行語大賞には選ばれないけれど、最近の若い子がやたらと使っているとか、普段の生活の中でよく耳にするような言葉やモノゴトを見つけて、企画にうまく織り込むのです。

リアルな「いま」から企画が生まれる

「いま」は、つねに生活の中で意識することで気づくようになるのですが、僕が最近、気になっているのは男女が友達になれるアプリの「タップル誕生」です。前から存在は知っていたのですが、焼肉屋で出会った税理士を目指しているキャバ嬢も「二十代では使っている子が多い」と言うんですよ。出会い系って抵抗があると勝手に思ってたんだけど、二十代の子からしたら、ツイッターのダイレクトメールと何が違うの? という感覚で、単純に友達と出会う場として使っている。

こういうリアルな「いま」から企画は生まれます。

(取材・構成:川内イオ、撮影:今井康一)

鈴木 おさむ 放送作家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

すずき おさむ

放送作家。テレビの構成をメインに数々のヒット作を手掛ける。エッセイ「ブスの瞳に恋してる」はシリーズ累計60万部。小説では「芸人交換日記~イエローハーツの物語~」(太田出版) 、「美幸」(KADOKAWA)、「名刺ゲーム」(扶桑社)等

 

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT