次期戦闘機問題、F22の追加生産中止は日本にとってよいことだ

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次期戦闘機問題、F22の追加生産中止は日本にとってよいことだ

F22戦闘機の追加生産中止が決まった。日本は、この非常に高性能だが“時代遅れ”の戦闘機を欲しがっているが、入手はできないだろう。日米両国政府は、深刻な外交問題の発生をおそれ、この問題が表ざたにならないよう努めている。だが、両国間の緊張は高まっている。

米国は数年前にF22を開発した。F22は史上最高水準のジェット戦闘機だ。連邦議会は技術が漏れるのを懸念、輸出を全面的に禁止した。

だが、今やF22はかなり時代遅れとなった。それは技術が陳腐化したからではなく、現在ではまず起こりそうにもないタイプの戦争を想定して設計されているからだ。F22は、現在187機が稼働中で、沖縄県の嘉手納基地にも配備されている。

日本では、現行のF4が老朽化していることから、F22の導入が大きな課題となっている。防衛省は米国がF22の輸出を許可することを期待して、F4の後継機種選定を先送りしてきた。しかし、これ以上先送りできない時期が来ている。

この問題には多くの要素が絡む。

あまりに高価な戦闘機

まず米国側の事情。オバマ大統領とボブ・ゲイツ国防長官はF22のプログラムを中止した。有用性が薄れたと考えているからだ。F22は非常に高価であり、防衛予算にはもっと有効な使い道がある。

F22が優れた戦闘機であることは間違いない。F22はステルスとして知られている。敵のレーダーに捕捉されにくく、標的を攻撃する能力が格段に高い。ちなみにF22に使用されている特殊な対レーダー塗装材料は日本で製造されている。これは最高機密である。

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