(最終回)強いストレスを受けたときの対処

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強いストレスを受けた場合の対応

 強いストレスを引き起こすような出来事に職場で遭遇した場合には、職場の上司や同僚と、退社するまでに時間を作って、お互いに感じたことを話し合うとよい。不調への予防効果は不確かだという意見もあるが、職場で大変な状況を乗り切ったり、チームワークを維持することも考え合わせると、試してみる価値がある。話し合う際に気分転換に甘いお菓子や飲み物をとりながら、といった工夫もできる。

 ストレス対処の方法のひとつとして紹介したが、職場の外でも誰かに聞いてもらうとよい。想定外の強いストレスであれば、周囲の支援を頼んだり、助けを借りるべきである。ただし、ショッキングな出来事の生々しい状況を聞いた側にもストレスを生じることがある。自身が聞く側になった際のために覚えておくとよい。
 その出来事が会社での問題なら、職場での対応に追われ、疲労をためてゆく可能性がある。出来る限り、よく眠り、休養もとって、仕事を離れる時間も持つべきだ。PTSDを起こすような状況を「心的外傷」という。「身体にケガ」をしたら、無理をしようとは思わないはずだ。「心にケガ」をしたのだから、ゆっくりと休養したほうがよいのだ。

 出来事がプライベートでのものだったら、家族や友人とそのことをよく話し合おう。また、自身や家族や友人が感情的になっている場合には、ストレス反応の側面があることを思い出そう。お互いによく話をして、気持ちを同じにして、問題対処に集中できるように心がけるとよい。
 強いストレスへの反応として、一般的な症状に不眠がある。不眠への対処でも紹介したが、不眠を感じたら躊躇なく精神科クリニックや専門病院で相談するとよい。会社の産業医に相談することもできるかもしれない。紹介状を書いてもらえば、受診もしやすいだろう。不眠は自己判断せず、正しい治療を受けるべきだ。不眠以外の症状が悪化したり、それが続かぬように主治医に相談することもできる。

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