「iPhone至上主義」は、すでに過去のものだ 「モンスト」の世界戦略は何が新しいのか

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そして4つ目は、ビジネスマネジメント。ストアページへの流入やコンバージョン、クラッシュ分析、アドワーズ分析など、アプリがどのように受け入れられているかを明らかにし、改善ができるのです」(コチカー氏)。

Google Playは、開発者にプラットホームを提供するだけでない。開発者とともにアプリを成長させるため、戦略を練ったり、ストア上でA/Bテストなどを提供するチームがある。

この仕組みは、かつて日本でiモードの公式サイトが、NTTドコモとともに成長してきたモデルを参考にしているという。モバイルコンテンツの発展やビジネス開発は、日本のケータイ業界が10年前から経験してきた歴史がある。グーグルにおいても、日本のケータイはケーススタディになっているのだ。

そしてそのノウハウは、日本のアプリをどう世界へ売り込んでいくかに生かされようとしている。

ウエアラブルやVRに対応することも重要

コチカー氏は、Androidデバイスの多様化に対応することも、今後のGoogle Playプラットホームにとって重要だと語る。たとえばAndroid Wearを搭載するウエアラブルデバイスや、Android Auto搭載の自動車端末もカバーする。

テレビやVR(仮想現実)などの新しいトレンドやテクノロジーも押し寄せてくる。マテリアルデザインはスマートフォンやタブレット以外のデバイスもカバーするよう設計されており、それは時計だろうが、テレビだろうが、VRであっても同じだという。デザイン以外のガイドラインについても適切な形で設計し、開発者のビジネスを成功させるためのサポートを、シームレスに行えるようにしていくそうだ。

グーグルは、アプリに本気で取り組んでいるのである。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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