コロムビアミュージックエンタテインメント取締役名誉相談役・廣瀬禎彦(Part4)--美空ひばりさんは今でも年間2億円の売り上げ、利益をもたらしてくれます

コロムビアミュージックエンタテインメント取締役名誉相談役・廣瀬禎彦(Part4)--美空ひばりさんは今でも年間2億円の売り上げ、利益をもたらしてくれます

■CEOへの道は、職業としての”社長”を選び、第一線で活躍するプロによるトークセッション。将来、経営層を目指すオーディエンスに、自らの経験とノウハウを語る。

--なぜ、音楽の世界へ入られたのでしょう。

アットネットホームで4年経ったとき、売り上げ100億円、営業利益10億円まで見えたんです。03年半ば過ぎくらいには、予定より早くやることはやったなという感じがありました。ちょうどその年の5月、8月、10月と、おのおの違うレコード会社3社の社長をやってほしいとバラバラに声がかかったんです。偶然です。最初は断っていたのですが、彼らからは私が音楽業界に向いているように見えるのかと考え直し、判断に乗ってみることにしました。それで3社目のコロンビアをお引き受けしました。

--赤字続きのコロムビアを立て直されました。具体的に何をされたのでしょうか。

14年間赤字ってたいへんなことですよ。コロムビアには、赤字だから翌年はどうしようという発想も仕組みもなかった。まず、コロムビアの人は数字をあまり意識しない。CDは売れたかと聞くと、こちらは何本売れたか聞きたいのに「盛り上がってます」と答えるんです(笑)。口約束が多く、納品書がないのに請求書が上がってきたりもしました。普通のビジネスではありえませんよね。

赤字企業はおカネの流れに問題がありますので、予算の範囲でおカネを使うよう改め、ビジネスプロセスや評価方法を見直しました。コロムビアは来年創業100周年。文化が古いだけに、ゴミがたまってさびていたんです。既存のカルチャーを変えることは難しいですが、さびを落として油を差し、滑らかにすることはできますよ。

--レコード会社を経営するに当たり、何がいちばん大事ですか。

2つあります。1つはエンタテインメントビジネスですから、ビッグヒットを出すこと。もう1つは、どの作品も最低限の採算に乗せ、大きな赤字を作らないということ。

赤字を作らなければ永続性が生まれますし、その中からヒット作が出ればいいですね。どの作品もきっちり採算をとるには、それぞれ期待販売枚数が異なるので、かけるコストが違ってきます。年間1000点の作品を丁寧に見ていくのは大変ですので、企画段階から営業の意見が入るような仕組みを作りました。

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