日本の殺人 河合幹雄著

拡大
縮小
日本の殺人 河合幹雄著

定義の仕方にもよるが、日本で1年間に起こる殺人事件の数は約800件。その中で、小説や映画で描かれるような凶悪犯はごく少数だというのが、本書の見解である。

“殺人鬼”のようなイメージは、マスコミがつくりあげている部分がかなり大きい。そして、凶悪な事件ほどニュースバリューがあるため、大きく報道される。こうしたことから、この国の治安が悪化したと簡単に結論付けることにも異議を唱えている。

法社会学者の著者は、数々の事件を詳細に検証しながら犯罪者の実像に迫る。また、警察の捜査から、取り調べの実態、量刑と刑務所での生活、受刑者の出所後、死刑問題、さらに裁判員制度についても広い視点から検討する。

ちくま新書 819円

  

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT