ダイハツ60万円カーが大人気! “軽”勝利の新方程式

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さらにこの不況で、車にかけられるおカネは減っている。エッセの“異常人気”は、1台当たり粗利の最大化を追求してきたメーカーの姿勢にも一石を投じそうだ。

ダイハツは8月17日、都内で新型車ミラココアを発表した。最新のプラットフォーム(車台)や駆動系部品を搭載しながらも、価格は105万円からに抑えた。箕浦輝幸社長は会見後、記者団に「全体的に低コスト車にシフトしていく方向で考えている」と示唆。下期には複数の新車投入を控えており、エッセと同じかそれ以下の超低価格車を投入する可能性も出てきた。

ライバルは30年前に47万円のアルトを発売して世間を驚かせた、あのスズキである。鈴木修会長兼社長も黙ってはいられないはずだ。

今年の軽自動車販売は9%減の170万台程度に落ち込む予測だが、10年ぶりの価格破壊は台数反転の起爆剤になりうる。秋の軽商戦から目が離せなくなってきた。

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(撮影:尾形文繁)

高橋 由里 東洋経済 記者

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たかはし ゆり / Yuri Takahashi

早稲田大学政治経済学部卒業後、東洋経済新報社に入社。自動車、航空、医薬品業界などを担当しながら、主に『週刊東洋経済』編集部でさまざまなテーマの特集を作ってきた。2014年~2016年まで『週刊東洋経済』編集長。現在は出版局で書籍の編集を行っている。

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