ソウルの小型書店でユニークな試みが続々 文化を創造する空間としてアピール

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「ブックバー」ではお酒を飲みながら本を読むことができる

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で「ビールとワインを売る書店」としてが広がった書店が、「ブック・バイ・ブック」と「ブックバー」だ。

両書店とも普通の書店の雰囲気とはまったく違う。たとえば、仕事を終え帰宅する際にビールを1杯飲みながら本を読むことができる。ブック・バイ・ブックは作家とのトークショーや講演会といったイベントを開催し、まるで書籍とコミュニケーションできるような経験をも提供する。ブックバーは代表のチョン・インソン氏がキュレーションした詩集と小説、出版社のイチ押しの書籍などを販売する。チョン氏は「仕事を終えて帰宅する際に立ち寄る客や、午前1時になってもワインと本を同時に楽しむ客が多い」と言う。

個性的な書店が続々と誕生

ソウル市西大門(ソデムン)区にある「ヤルラブックス」も、注目されている書店の一つ。「ヤルラ」とは、アラブ語で「ともに、一緒に」「行こう」という意味であると同時に、ウズベキスタン語では「歌う」という意味だ。写真を勉強中のヤン・ウンハ代表は「ただカネ儲けのための書店ではない」と断言。美術系アーティストの作業空間であるスタジオも併設しており、各種展示会とセミナーがひと月に1回、開催されている。芸術分野の書籍と多様な個性ある出版物を製作している。

2015年10月、日本人観光客も多く訪れる梨泰院(イテウオン)解放(ヘバン)村にオープンした文学専門書店「コヨソ」社は小説と詩、エッセイ、人文社会、芸術分野の書籍を中心に、内容も面白くて読みやすい書籍を取りそろえている。出版編集者出身のチャ・ギョンヒ代表は、欧州旅行をした際、各地に小さな書店があることが印象的で、ソウルにも書店をオープンさせた。

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