コロムビアミュージックエンタテインメント取締役名誉相談役・廣瀬禎彦(Part1)--月200冊以上、あらゆる雑誌を読みました

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--IBMで順調にキャリアを積む中、いつ頃から辞めようと思い始めたのでしょうか。

アメリカの本社にいた頃にちらっと思いました。アメリカのIBM社員は、定年退職を楽しみにしているんですよ。独立志向も強く、夢を持っている人が多かったです。隣の部署の優秀な人は、ある日突然「プロサーファーになる」と言って辞めてしまいました。何人かの同僚も独立を理由に辞めていきました。全然違う価値観に触れ、IBMはビジネスの仕組みを学ぶ学校なのだと思うようになりましたね。

IBMを本格的に辞めようと思ったのは、コンシューマーパソコンの「アプティバ」を日本に持ち込む仕事をしていた93年ごろからです。世間ではモザイクやネットスケープができ、自分もパソコンの仕事を通じて次はインターネットサービスの時代だなと感じていた矢先、IBMが通信業部門を縮小したんです。IBMの社内はパソコン事業、通信事業と業務が明確に分かれていますし、通信事業も専用ネットワークを主たる業務としていましたので、社内でインターネットをやるのは無理だなと思いました。

96年、インターネットをやるならベンチャーに行くしかないと、付き合いのあったアスキーへ転がり込んだというわけです。

(写真:鈴木紳平)

ひろせ・さだひこ
 1969年慶應義塾大学工学部を卒業、日本アイ・ビー・エムに入社。凄腕営業マンとして数々の受注を獲得し、宣伝部長、事業部長を歴任し、アスキー常務取締役に転身。同社専務から、さらにセガ代表取締役副社長、アットホーム代表取締役社長に就任しネット業界を牽引。2004年1月には、コロムビアミュージックエンタテインメント代表執行役兼最高経営責任者(CEO)に就任。09年5月に同社取締役名誉相談役に就任。

■CEOへの道は、エグゼクティブ向けの人材会社・リクルートエグゼクティブエージェント主催のセミナー「Road to CEO」との連動企画です。

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