外国人の顧客を獲得するには
まず外国人のパートナーを
株式会社ジープラス・メディア
外国人スタッフによる
外国人目線のコンテンツ
3兆4771億円。
この数字は、2015年の訪日外国人による消費額(観光庁)だ。前年比では71%増となり、16年も伸長することが予想されている。好調な消費は中国人観光客による「爆買い」に支えられている側面もあるが、もちろんそれだけではない。あらゆる国籍のあらゆる言語を話す人々が日本に押し寄せており、訪日客約2000万人の消費ニーズに応えようと、各企業・自治体はさまざまな工夫をしている。
たとえば、英語のFacebookアカウントを取り、独自で管理・運営している東京都の自治体がある。ここでは、自治体がアピールしたいものを英訳するのではなく、その自治体にある観光スポットを外国人記者が訪問して記事をゼロから作り上げるというスタイルを取る。また、ある鉄道会社は、渋谷に外国人を呼び込むために、スクランブル交差点やセンター街など、外国人ウケするスポットを撮影した動画などの英語のコンテンツを充実させている。
2つの例に共通するポイントは、外国人スタッフが外国人目線で作っていること。そうしなければ、外国人のニーズに応えられないからだ。
これらのサービス、コンテンツ制作を手掛けているのが、ジープラス・メディアという企業だ。
ジープラス・メディアは日本の英字ニュースサイト「Japan Today」や、外国人向け生活情報サイト「GaijinPot」を展開し、ネットメディアとしての集客力や訴求力だけでなく、外国人ユーザーに対するマーケティング施策の知見を持つ。ゼネラルマネジャー、キエロン・カシェル氏はこう語る。
「当社は日本を含む14カ国の多国籍スタッフによって構成されており、そのネットワークは、オンラインプラットフォームのみならず外資系企業や大使館にまで広がっています。理念は『Building International Japan』。私たちは日本企業のコンサルティングをするだけではなく、自社でリサーチからマーケティングソリューションまでワンストップで提供し、外国人に日本の良さを効果的に伝えることができます」
150万UUのリーチ
リアルな人脈も効果的
99年のサイト立ち上げ当時から外国人のための環境作りにこだわり、ファンの獲得に成功。今では「Japan Today」と「GaijinPot」のユニークユーザーは、それぞれ月間100万、50万となり、外国人の認知度は日本でもトップクラスに成長した。15年にはフジ・メディア・ホールディングスの傘下に入ることで、より強固な経営基盤を築いている。
特筆すべきは、前述の両サイトにおけるユーザーへのリーチと、人脈を基にした幅広いネットワークだ。この2つがあるからこそ、顧客のニーズに合った外国人の市場調査やメディア広告といったマーケティングが可能になっている。