コンビニ弁当の値引きは本当に広がるのか--激戦区に見る値引き販売拡大の“火種”

拡大
縮小


 Aさんは「半額では定価で買うお客さんに申し訳ない」と、値引率を2割に決めた。商品価格に応じて70円、80円と手作業でシールを張っていく。同店は夕方から夜間の来店客が多い。そこで、販売期限が朝9時の商品は前日午後11時から値引きを始め、終電前後の来店客を狙う。こうした値引き作業を1日5回行う。

しかし当初は、売り上げ拡大を見込んで発注を増やしたため、売り場に値引き商品があふれた。値下げにより売り上げが減り、かえって粗利額を減らしたこともある。それでも廃棄費用は目に見えて減っており、毎日平均2万円程度だった廃棄負担は、8000円程度にまで縮小した。

「値下げは万能ではなく、適切な発注があってこそ有効」とAさんは語る。値引き販売も儲けを出せなければ無駄骨に終わる。今後は効果を見定めながら、値引き販売を続けるかどうか、慎重に検討するという。

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