「テーマ特化型」シェアハウスが増えるワケ 高収入者の入居も増加

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同社では現在、40棟ほどのシェアハウスを所有。なかには、ハーブガーデン付き、カウンターバー付きなど、大森の物件と同じような特化型も多く、稼働率も好調で、半年に1棟のペースでシェアハウスを増やしている。

ホテルのような豪華さ

日本土地建物(東京都千代田区)が、企業用の研修施設を改築して千葉県船橋市にオープンさせた大型シェアハウス「シェアリーフ西船橋 グレイスノート」(全85室)は音楽スタジオ付き。テーマは「音楽を通じてのコミュニケーション」だ。

館内に一歩足を踏み入れると、まるでホテルのようにラグジュアリーなエントランスがお出迎え。共有スペースであるリビングダイニング+キッチンはなんと123畳もの広さ。「スカイラウンジ」と呼ばれる元大浴場の共有スペースでは、ゆったりとくつろぎながら星を眺めることまでできて、とても平均家賃6万5千円(別に管理費1万8千円)とは思えないゴージャスさだ。昨年はグッドデザイン賞のほか、デザイン関連の賞を複数獲得した。

地下にある元ボイラー室を改造して作られたのが3室の音楽スタジオ。ヤマハミュージックリテイリング施工による完全防音スタジオには、ミキサー、スピーカー、アンプにドラムセット、アップライトピアノまで完備。空間録音もできる本格的なスタジオを、住人は無料で利用できる。

さらに玄関わきには、プロジェクターにミキシングルームまで完備した「RED ROOM」と呼ばれる多目的ルームもあり、度々ミニステージでのライブやパーティーが催されている。住人には、管楽器奏者や、アーティストに楽曲提供をするプロの作曲家などもいるそうだ。

「徒歩12分という駅から離れた立地だけに、プラスアルファの付加価値が必要でした」と同社の三浦拓さん。「今では音楽初心者に先輩住人の方が楽器の弾き方を教える場面も。音楽を通じた交流が生まれています」

季節ごとの野菜を収穫

11年3月の東日本大震災後、自給自足や食の安全、家庭菜園に対する注目が高まったことを受けてできた農園付きシェアハウスが、「ARDEN松戸」(千葉県松戸市)だ。

広い庭を農園として活用し、野菜作りをしながら、住人が交流。管理するシェアスタイル(東京都豊島区)の相談役である岩佐修さんが、趣味の腕を生かして畑作りをサポートする。

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