余命3カ月のガンを克服!驚くべき「食の力」 「3つの食習慣」で疲れきった体がよみがえる

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工夫3:食材で体を癒す――アールグレイが飲みたいときはストレスのサイン、痛みや発熱にはセロリを

体はそのときどきの調子に合わせて食材を欲しているものです。たとえば、紅茶のアールグレイの香りづけに使用されているベルガモット。今から500年以上も前、コロンブスがカナリア諸島で原木を発見し、スペインやイタリアに広めたといわれています。ベルガモットの香りは鎮静作用と高揚作用の両方をあわせ持ち、精神のバランスを取って安定させる働きがあります。

症状にあわせて食材を選ぼう

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そのため、アールグレイの紅茶が飲みたい気分のときは、潜在意識の中にストレスや怒りといった感情を抱えている可能性があります。そうした状態のときには、下痢、便秘、食欲不振、過食など神経系の胃腸トラブルを発生しがちです。これらの症状の緩和にはベルガモットの香りが適しています。

それから、肝機能が弱っている人は甘味が欲しくなるものです。甘味イコール砂糖と思いがちですが、私は普段から砂糖は使いません。糖質はいろいろな食材に含まれているので、意識しなくても十分に取れているからです。甘味が欲しいときには果物やハチミツで代用しています。

食材を活用することでつらい症状をやわらげることもできます。たとえば、セロリです。セロリは、安土桃山時代に豊臣秀吉が朝鮮に出兵したおり、日本に運ばれてきたという説があるほど古くからある野菜です。当時は「オランダみつば」と呼ばれていましたが、独特の香りや味が受け入れられず、一時は忘れられていました。

日本人に受け入れられるようになったのは、カレー、シチューなど洋風料理の香りづけとして広まったからです。セロリの茎には体の熱を取り、頭に上った気をおろす働きがあります。私自身、つい最近、40度の高熱が出たのですが、生のセロリをたくさん摂ることで熱を下げることができました。

また、頭痛やストレスから生じる血圧上昇には、セロリの独特の香りが効果的です。さらに、不安や緊張をやわらげる働きもあります。自分の体の声に耳を傾けて、日々の食生活にほんの少し気を配るだけで、心身ともに万全の状態で仕事にのぞむことができます。 毎日の食事と生活に取り入れていただければうれしいです。

高遠 智子 オーガニック薬膳料理研究家

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たかとう ともこ

オーガニック薬膳料理研究家。鎌倉rethree&co料理教室主宰。 1968年福岡県生まれ、北海道育ち。28歳のときに末期の卵巣ガンにより余命半年の宣言を受ける。抗ガン剤と放射線治療で再発を繰り返しながら3年を過ごすが、肺に転移。余命3カ月を宣告され、治療を放棄する。残りの人生は好きなことをしようと、車椅子で渡仏。薬の副作用で味覚障害を抱えていたが、モンマルトルのマルシェでトマトを食べた際に唾液があふれ出て、味覚がまだ残っていることを認識。この体験から、体も心もすべてが食べ物でできていると確信し、単身パリで食の勉強を始める。帰国後、薬膳漢方を学ぶため、約1年間、中国に渡る。現在、東洋と西洋の食と素材の知識を活かしながら、「身近な素材で、食べて元気になる、自分で自分治し! 」をテーマに積極的に活動中。テレビ、雑誌などでもオリジナルのレシピを紹介している。

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