資源関連株のカラ売りは今や危険である コマツと三菱商事に底打ちシグナルの意味

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今年の3月もイベントが盛りだくさんです。中国の全国人民代表大会(5日~)、ECB定例理事会(10日)、日銀金融政策決定会合(14-15日)、米FOMC(15-16日)などに加え、需給面を左右するメジャーSQ(11日)があります。 SQ(特別清算指数)というのは先物やオプションの清算に使われる値のこと。毎月の第2金曜日がSQを算出する日にあたり、特に3月、6月、9月、12月は先物のラージの清算があるため、メジャーSQといわれています。過去は「SQ」のある前後で、相場の短期的な分岐点になってきたことも少なくありません。

見えてきたメジャーSQ後の傾向

そこで、年4回のメジャーSQ後の20日間で日経平均株価の動きがどうだったかということを、直近10年間の平均でみると面白い傾向がみえてきます。9月のSQ後は比較的弱含む傾向があります。12月のSQ後をみると、序盤は堅調ですが「掉尾の一振」による上昇の反動で新年に入り下げるパターン。3月、6月のSQ後は比較的堅調を維持する傾向があるようです。

特に3月は季節的な要因もあって、上昇に弾みがつく傾向があることがわかります。年度末の配当狙いの買いや期末のドレッシング買い、4月からの新年度相場への期待感、月末にかけては年金資金などによる配当再投資の買いなどで上昇する傾向がみられ、特に今年は2月まで大幅に下げたことで上昇への期待感がより強いといえるでしょう。

さて、今週の東京株式市場は、米2月雇用統計が波乱無く通過したことで、ECB定例理事会(10日)での追加緩和を警戒して売り方の買い戻しが入りやすく、下値は硬直的とみることもできます。ドル円相場はまだ気迷いムードですが、株価指数の底値切り上げをキャッチアップするような円安の動きがみられれば、このところ反発基調を強める外需関連株の援軍になるでしょう。

一方、週明けについては、来週の日米金融イベント(日銀金融政策決定会合、FOMC)を前に早くも様子見姿勢が漂っています。先物市場も6月限への乗り換え以外の商いは増加が見込めず、現物株の売買高もさほど増加は期待できそうにない。海外の経済指標でもあまりインパクトの強いものはなく、ECB理事会の結果が出る前後が重要になるぐらいでしょうか。

というのも、昨年12月のECB理事会による追加緩和策では、資産買い入れ規模の拡大が見送られたことなどで株式市場は失望売りで反応した経緯があります。まだその当時の記憶が新しく、週後半は世界的に株式への下押し圧力が強まる場面を想定しておきたいところです。ただ、3月末高のアノマリーが有効であれば、安い場面では押し目買いと判断できそうです。

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