資源関連株のカラ売りは今や危険である コマツと三菱商事に底打ちシグナルの意味

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中国関連株の代表銘柄の一つ、コマツ。2月に相場の底入れサインが出現、近い将来最悪期を脱するか

2月の日経平均株価は前月末比でマイナス8.5%と大幅下落となりました。月の後半がやや落ち着いた推移となったことから、何となく売り圧力が弱まった印象があったものの、1月のマイナス8.0%を上回る下落率となり、年初からの下げが止まったとはいえない状況です。

一方、チャート上では、2月の月足ローソク足は1月に続いて長い下ヒゲを形成しました。底打ちサインとなりえる下ヒゲが売り方の警戒感を強めることができるか、そして買い方の安心感につながるかが、4月に向けて反発基調を維持できるかのポイントになります。

不安定な場面はまだあるでしょうけど、順調なら初夏あたりまでは戻りの勢いが残る展開が予想されます。ただ、前回述べましたように、年初からの下落過程では1万7000円~1万7500円の価格帯に売買代金が多く積み上がっているため、足元の戻り売り圧力は強く、上値が重い水準に差し掛かっていることは確かです。

高勝率3月のジンクスは今年も有効か

1996年~2015年までの20年間において、3月の日経平均株価はどうだったか。月足ローソク足の陽線(月初の始値よりも月末の終値の方が高い)で勝ち・陰線(月初の始値よりも月末の終値の方が低い)で負けとして勝敗をみると、13勝7敗と勝ち越しでした。2008年の金融危機直後の7年間(2009年~2015年)でみると、6勝1敗と勝率はさらに上がります。

2009年は金融不安・景気悪化懸念に国内外での政策対応、2010年は日銀の追加金融緩和策やEUのギリシャ支援策合意、2011年は東日本大震災の発生・原発事故、2012年はギリシャ不安の後退や円安進展がありました。続く2013年は、黒田日銀総裁に対する金融緩和期待やアベノミクス相場で不動産株がけん引、2014年は上げ下げの末に円安や機関投資家による配当再投資の買いで反転上昇、2015年は欧州株との連動性を強めたことや企業の株主還元のリリースが相次いだことが物色意欲を刺激したことなど、良くも悪くも話題が豊富です。

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