(第23回)「四字熟語・故事ことわざ」で綴る就職支援・第十話『内定不安』

(第23回)「四字熟語・故事ことわざ」で綴る就職支援・第十話『内定不安』

菊地信一

誰もが一度は経験する不安
その原因を見つけ出そう!

 意中の企業から内定をもらい、就職活動を終え、最終学年での生活をエンジョイしよう。そう考えていたのに、このまま社会に出るのが何となく不安で、あれこれと思い悩む。また、入社予定先の企業への最終的な選択が間違っていないかどうか不安になる。-これが「内定不安」、いわゆる“内定ブルー”と呼ばれているものだ。程度の差こそあれ、誰もが経験するといってよいだろう。

 一般的に、内定ブルーの原因は、早期退職の原因と酷似しているともいわれる。そこで、現在内定ブルーになっている人たちは、やせ我慢をして、入社早々に早期退職などというワーストな結果にならないよう、自分の気持ちを整理しておく必要が出てくる。『備えあれば憂いなし』という。普段からいざという時のために準備をしていれば、万一のことが起きたとしても、あわてふためくことはない。『転ばぬ先の杖』とも言うではないか。

 内定ブルーの原因を見つければ、解決方法も見えてくる。内定をもらったときに手放しで喜べなかった人は、いったい何に不安を感じたのだろうか。以下に述べる五つの不安の原因のどれにあてはまるだろう?

(1)転勤や勤務地が選べないことへの不安
 いずれは親元を離れて自立しなければならない時が来る。就職はそのひとつのきっかけとなるものだ。若いうちの転勤は、全国各地で暮らす(あるいは海外も)体験ができて、意外に楽しいかもしれないと、前向きに考えてもらいたい。『臨機応変』に態度・考え方を切り替えていくことが肝心だ。

(2)職種、仕事内容に対する不安
 営業でやっていけるかどうか、業績目標がきついのではないか-そうしたことが不安になっているようだ。この場合は、内定期間中に人事担当者へ「このような理由で不安があるので、先輩社員に話を聞きたい」と紹介を依頼してみたらどうだろう。人事担当者は内定者の不安を解消するために親身になって相談に乗ってくれるはずだ。逆に、その申し出に対して『梨のつぶて』ならば、内定先企業への就職を再考してみる必要があるかもしれない。こちらから連絡しても、何の音沙汰もない状況が続くのは、どう考えても異常なことだからだ。

(3)給与、待遇、休日休暇に対する不安
 休日休暇の利用率、有給休暇の消化率などは何となく聞きにくいものだろう。だが、これも人事担当者に確認をとらなければならない。『問うはいったんの恥、問わぬは末代の恥』という。もっとも気になることを確認せずにいれば、損をするのは間違いなくあなた!ということになる。
 ただし、入社間もないうちは、覚えることが多いため、仕事が主になることは止むを得ない。反対に自分の時間は少なくならざるを得ない。そのあたりはきちんとわきまえておかなければならない。
 ただ、働く前から金や休暇の話をするのは、先方の心象を悪くすると考える皆さんもあろう。確かにそのようなこともあるかもしれないが、今どきこの程度のことで心象を悪く持つような会社は、本来ならばこちらから願い下げをしたいところだ。

(4)社内の人間関係に対する不安
 どのような上司、同僚の元に配属されるかは非常に気になるところだ。まさに、「上司は選べない」のだから…。だが、早期退職者の急増といった事態もあり、上司の重要な役割のひとつとして、新人育成が以前にも増して各社の至上命題となってきた。そのための研修が盛んに行われてきている。また、企業によってはブラザー制度(シスター制度)の導入などを行い、世代の近い先輩社員が新入社員の公私に渡る面倒をみることを実践しているケースも見られる。
 入社前に、どのような研修・制度があるかについて確認をしておこう。

(5)内定先企業の不祥事などへの不安
 企業が組織ぐるみで反社会的な行為をしたとか、社員が不祥事を起こしたなど、企業に関わる不祥事は、まさに多種多様といえるだろう。このような事態に遭遇したならば、まずは自分自身の価値観=絶対譲れない“こだわり”と照らし合わせてみよう。もし、どうしても相容れないと感じた時は、慎重に考えてみること。大学の就職課・キャリアセンターに出向き、相談をしてみることも必要だ。第三者の意見を聞き、辞退をするかどうかの最終判断をしてもらいたい。
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