セブンに突き付けられた成長一辺倒への疑問、値引き事件が浮き彫りにした“構造問題”

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セブンに突き付けられた成長一辺倒への疑問、値引き事件が浮き彫りにした“構造問題”

王者・セブンがついに方針を転換した。

セブン−イレブン・ジャパンは販売期限の迫った弁当類の値下げ問題で、公正取引委員会(公取委)から出されていた排除命令を8月中に受け入れる方針を固めた。

問題となったのは、セブンが加盟店に対して弁当類の値引き販売をしないよう事実上の強制をしていたこと。公取委はそれに対して、「優越的地位の濫用」を適用した。

「加盟店とはあくまでも対等」「店舗指導にやりすぎがあったのは一部の店舗だけ」。セブン社内ではこんな主張が根強かった。だが最終的にセブンは、勧告の受け入れに転じた。

加盟店のリスクが年々増加する構造

しかしこれで一件落着というほど、単純ではない。公取委の措置は、セブンが持つ“構造問題”を浮き彫りにしたからだ。

今回の価格統制の裏側には、弁当の廃棄費用の問題がある。下図を見ていただきたい。多くのコンビニは、売上高から原価を引いた粗利(売上総利益)を加盟店と本部で分配する「粗利分配」方式をとる。加盟店は粗利にチャージ率を掛けたロイヤルティを本部に支払い、残りの粗利から廃棄した商品の原価(廃棄ロス)を経費として負担する。

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