JRと私鉄の競合10区間、便利なのはどっちか 安さと速さと快適さを徹底比較

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5)外国人に大人気の高尾へ

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高尾山へは京王線が圧勝だ

日帰り温泉もでき話題の高尾へ。新宿駅からだと、JR中央線特別快速あるいは京王線特急の2ルートがある。中央線特快は、40分、550円、京王線特急なら45分、360円で値段は京王線の勝ち。中央線は若干速いようだが、高尾山へ行くなら京王線に乗り換えて高尾山口駅へ行くことになるから京王の圧勝であろう。

数年後に予定されている中央線グリーン車導入で快適性が高まれば、情勢は変化するかもしれない。

6)豊橋~名古屋間、速いのは新幹線だが・・・

話を名古屋圏へ移そう。愛知県内の豊橋から名古屋へ移動するなら、JRと名鉄が競っている。まず、速さなら東海道新幹線。こだま自由席利用で、24分、2300円だ。一方、東海道本線の新快速を利用すると50分(快速は55分)、1320円。列車本数は、新幹線が1時間2ないし3本、在来線新快速と快速を合わせると1時間4本。使いやすいのは在来線であろう。

これに反して、名鉄は快速特急50分、特急で53分、1110円。快速特急と特急合わせて1時間4本あるから、名鉄の勝ちだろう。360円のミューチケットを買えば2両つながっている特別車に乗れ、快適性もある。

時代とともに変わる競争の勝者は・・・

7)名阪間の争いの今

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名古屋~大阪間は近鉄特急アーバンライナーが根強い人気を誇る

半世紀以上前には名阪(名古屋と大阪)間のメインルートのひとつだったJR関西本線は完全に脱落し、ナンバーワンルートだった近鉄も東海道新幹線開業で首位の座を譲り渡した。歴史と共に移りゆく競争は今どうなっているか?

やはり時間では東海道新幹線の圧勝だろう。「のぞみ」で49分、6560円。それでは面白くないので、新幹線を使わないJR利用を考えると、名古屋から米原まで特急「しらさぎ」を使い、米原からは新快速に乗る。この方法だと、2時間半ほどかかるけれど、5050円(指定席利用)と少し節約になる。1日1往復走っていた「しなの」大阪行きは、2016年3月のダイヤ改正で廃止。残念だ。

近鉄特急アーバンライナーは、名古屋駅から大阪難波駅まで2時間少々かかり、4260円。所要時間では新幹線に太刀打ちできないけれど、快適さと料金、大阪ミナミまで乗り換えなしで行けるメリットは捨てがたく、根強い人気がある。

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