大雪、台風…それでも「定時出社」は絶対か 交通大混乱時に、遅刻でペナルティはアリ?

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「ただし、雪や台風による公共交通機関の遅れなどで、通常の手段では定時に出勤できない場合は、出勤できなかったことについて労働者に責任はないので、ペナルティーを課すことはできません」

遅刻しないように、早めに出社することを命じることはできるのだろうか。

早めに到着すれば、その分も労働時間に

「就業規則にそのような規定を設けていれば、使用者が個別に、労働者に対して指示をすることが許されるケースはありうるでしょう。

ただ、その場合でも、始業時刻より早めに到着したりすれば、その分は労働時間と考えることになるでしょうし、通勤が危険な状態で出勤を命じたことで労働者が事故に遭遇したりすれば、会社は責任を免れないと思います」

逆に、悪天候などの日は社員の安全を考えて、会社を休みにしたり、午後出社にするといった対策をとる法的な義務が、会社にあるのではないか。

「記録的な台風や大雪で、通勤によって労働者の生命、身体に危険が生じることが明らかな場合は、そのような義務が生じる場合もあるでしょう」

白川 秀之(しらかわ・ひでゆき)弁護士
2004年、弁護士登録。労働事件が専門だが、一般民事事件も幅広く扱っている。日本労働弁護団常任幹事、東海労働弁護団事務局長、愛知県弁護士会刑事弁護委員会委員。

事務所名:弁護士法人名古屋北法律事務所

 

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