中学校で成績ダウンする子の「落とし穴」 小学生までの「ドリル学習」では不十分

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理解を定着させるには繰り返しが大切で、一度試験範囲をさらっとやったら完璧、などとそう簡単にはいきません。ですから計画表の中に最低3回転された流れを作るため、少なくとも中間テストでは1週間、期末テストでは10日は必要になりますね。

また土日を挟むことになるので、学校が休みの日は、十分な試験勉強時間がとれます。平日はあまり試験勉強時間が取れないため、試験直前、土日は1日10時間ぐらいは勉強時間が必要になるはずです。試験前にも関わらず遊んでいる場合は、点数が低くなることを覚悟しなくてはなりません。

お子さんの状況をチェックしてみよう  

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以上、3つの準備と、2つの方法の内容をチェックしてみて、お子さんの今の状態と比べてみてください。何が欠けているでしょうか。実際に成績を上げるためには、どれぐらいのことをやる必要があるのかということを、子ども自身がしっかり把握する必要があります。

多くの中学生はこれを把握しないばかりか、甘く見ていますので、なかなかいい成績がとれません。いい成績が取れなくなると、「自分の能力はここまで」と限界を設けてしまいます。そして勉強してもいい成績が取れないからやっても仕方ないと考えるようになるのです。実際は方法を知らないだけで、能力が足りないのが原因でないにも関わらずです。

プリントによるドリル学習は、日々のウォーミングアップとして毎日やることは重要でしょう。しかし、これまでお話してきましたように、学校の定期テストでよい点数をとる、学期の成績表でよい成績を取るためには、それなりの準備と方法が必要なのです。

福原さんのお子さんは、まだ中学1年生ですので、まだまだ伸びる余地があります。これらのお話をお子さんにしていただき、気づきを得ていただければと思います。
 

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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