カプコンの「新」アメーバ経営、ゲーム業界でヒット連発の秘密

カプコンの「新」アメーバ経営、ゲーム業界でヒット連発の秘密

アメーバ経営--。小ユニットごとに精緻な採算管理を行い、事業展開に応じて組織を柔軟に統廃合する経営手法。電子部品最大手の京セラ創業者、稲盛和夫氏が発展への原動力として導入したことで知られる。ここにもう一つ、その“派生型”を潤滑油に、フルスピードで疾走する会社がある。

アクションゲームを得意とするソフトメーカーのカプコン。売上高918億円、従業員約1800名(うち開発スタッフ約700名)、市場シェア国内4位と、事業規模からすれば中堅クラスである。

小チームが細胞分裂し爆発的ヒットに“育てる”

ただ、その勢いがすさまじい。2008年度は販売200万本を超える“ダブルミリオンタイトル”を3本も輩出。ユーザー同士が協力してプレーする「モンスターハンターポータブル2ndG」は販売本数340万本を突破し、国内に“モンハンブーム”を巻き起こす。ホラーアクションの「バイオハザード5」は、海外を中心に500万本を出荷。人気シリーズ「ストリートファイター�」も、販売250万本に達している。

売上高の7割を占めるソフト事業が牽引し、業績は絶好調だ。08年度まで3期連続で増収増益を達成。09年度も売上高、営業利益ともに過去最高を更新する見込みである。

市場環境自体はむしろ厳しい。消費不振により国内ゲーム市場は縮小基調。欧米市場は拡大しているものの、競争激化で売れるソフトとそうでないソフトの差が広がっている。こうした悪条件をはね返すカプコンのヒット連発は、もちろん単なる偶然の産物ではない。

最初は一つの卵にすぎない新ソフトでも、ひとたびヒットの予兆を察知すると、そこにリソースを集中して爆発的ヒットにつなげる機動性がある。たとえば「モンハンシリーズ」の場合、04年3月発売の初代タイトルは30万本の売り上げにすぎなかった。その後、シリーズ展開とともに、プロモーションスタッフの指揮でユーザー参加型のイベントを定期的に全国開催し、人気シリーズへと育て上げ中高生を中心に圧倒的な支持を得る。

これを可能にしているのが、カプコン版「新アメーバ経営」ともいえる柔軟な組織構造なのである。

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