1月の貸出約定平均金利、「過去最低」に

問われる実体経済への波及効果

 3月1日、日銀が公表した1月の貸出約定平均金利によると、都銀や地銀など国内銀行の貸出残高における平均金利が1.108%となり、過去最低を更新した。写真は都内で昨年11月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 1日 ロイター] - 日銀が1日公表した1月の貸出約定平均金利によると、都銀や地銀など国内銀行の貸出残高における平均金利が1.108%となり、過去最低を更新した。マイナス金利政策の導入を受け、2月以降もさらに低下する可能性が大きい。今後は実体経済への波及効果が問われることになる。

日銀によると、1月の貸出約定平均金利は、1年未満の短期と1年以上の長期、および当座貸し越しを含めた総合で1.108%となった。これまでの最低は昨年12月末の1.110%で日銀による大規模な国債買い入れを中心とした量的・質的金融緩和(QQE)の推進で、貸出金利は過去最低水準を更新し続けている。

日銀は1月29日にマイナス金利付きQQEの導入を決定。国債市場では10年最長期国債利回り(長期金利)<JP10YTN=JBTC>が初のマイナス圏に突入するなど、市場金利が軒並み低下している。

これに合わせて金融機関は、相次いで住宅ローン金利の引き下げを発表している。貸出の基準金利である東京銀行間取引金利(TIBOR)も低下しており、2月以降も貸出金利が一段と低下することは確実な情勢だ。

黒田東彦日銀総裁は、マイナス金利導入を受けて国債のイールドカーブが全体的に低下し、貸出の基準金利や住宅ローン金利なども低下していることから、マイナス金利政策の「金利面での効果はすでに表れている」と強調。実質金利の低下が今後、設備投資や住宅投資など実体経済に波及し、経済活動や物価にも「プラスの効果があると確信している」と発言している。

国内銀行の貸出残高の前年比伸び率は、2011年にそれまでの減少傾向から増加に転じ、2013年以降は同2%台の推移が続いている。日銀は中堅・中小企業を含めて幅広い業種への貸出が増加していると説明するが、足元では伸び率が頭打ちの印象も否めない。

マイナス金利の導入で貸出金利に一段の低下圧力が強まる一方、預金など調達コストの下げ余地が乏しい中で、金融機関には利ザヤのさらなる縮小に対する警戒感も強い。「資金需要が乏しい中で、金利引き下げ競争が加速する」(地域金融機関)との懸念も聞かれており、貸出金利の低下で企業の設備投資や潜在的な資金需要を刺激することができるのか、マイナス金利政策の波及効果が注目される。

 

(伊藤純夫 編集:田巻一彦)

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