化学業界の憂鬱、期初に思わぬ中国特需でも期央からは腰折れ懸念


 石油化学工業協会は、6月の主要石油化学製品生産実績を発表した。本実績は化学メーカー各社の業績を見る上で重要な指標となる。6月の実績を踏まえ、8月から徐々に始まる化学業界の第1四半期(2009年4~6月期)と、以降(09年7月~10年3月期)の見通しについて検証する。

6月のエチレン生産量は、55万5400トンとなった(エチレンは各種石化製品の基礎原料のため、その生産量は石化業界の全体感を表す)。前月比では4.6%の減少、前年同月比では3%の減少だった。稼働率は採算ラインとされる90%を上回る95.6%。こちらは前月比より3.2ポイント増加、前年同月比では2.8ポイントの減少だった。

樹脂の国内出荷は、低密度ポリエチレン(LD)、高密度ポリエチレン(HD)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)の4樹脂が揃って前年同月比でのマイナスが続いた。しかし、マイナス幅は月を追うごとに縮小している。輸出環境は引き続き良好に推移しており、前年同月比ではPSを除く3樹脂でプラスとなった。在庫量は4樹脂揃って大きく減少。在庫率もおしなべて適正水準になったようだ。

「中国への輸出増を支えに、需要の激減からは一息ついた。特にラップフィルム向けLD、食品容器向けHDなど日用品が、中国の個人消費回復の恩恵を受けている」(石油化学工業協会兼三井化学会長の藤吉建二氏)。ではこの動きが各社の決算にどう反映されるのか。

今期化学業界は、大手を筆頭に下期偏重で見ている傾向が強い。国内最大手で唯一四半期別の業績の内訳を開示している三菱ケミカルホールディングスは、期初に第1四半期(09年4~6月期)の営業損益をマイナス230億円と予想。第2四半期(7~9月期)には130億円の黒字に復帰し、上期(4~9月期)累計の営業損益はマイナス100億円と見積もる。

2位の住友化学は、上期の営業損益をマイナス50億円、3位の旭化成は同じく上期の営業損益をプラス50億円で予想している。ただ、通期の決算では下期に業績の急改善を折り込んだ結果、それぞれ営業損益が三菱ケミカルが650億円、住友化学が350億円の黒字に転換、旭化成が410億円の営業利益となる会社計画を立てている。

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