官民そろって人員削減を進めるアメリカ、新卒も仕事探しに四苦八苦

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 こうした悲惨な現状から、レイオフや解雇を恐れた現職の社員、職員たちは夏休み返上で働く者が続出。例年なら夏休みを取っていた者たちが、今年は職場のデスクを離れようとしないのが、シリコンバレーのトレンドになってきている。

会社経営者デイビッドは、10代の息子のサマージョブのため、ベンチャーキャピタルの事務所に問い合わせた。サマー・ジョブとは、学生が夏の間に行う仕事で、単なるアルバイトではなく、将来の就職につながるインターンシップの意味も持つ。
 
 「3年前の長女の時はサマージョブはすぐ見つかったのに……。息子は今年、レストラン、本屋、ペットショップ、カフェなど何十件問い合わせても仕事が見つからないんだ」とデイビッドは嘆く。

恐ろしいことだが、仕事が見つからないのはアルバイトだけではない。この夏に新卒となった大学卒業生たちも仕事探しに苦労している。
 
 「娘は東部の有名大学を優秀な成績で出たんだけれど、仕事探しに苦労しているわ」と、悩む母親のメリー。今年5月の統計では、「全米で、求人1つあたり約5.7人が職を求めている」と米労働省は7月7日に発表している。

大学は出たものの仕事が見つからず、また高等教育機関に戻るということにならなければ良いのだが。オバマ大統領の景気刺激策が効いて、仕事が増えてくるのはいつ頃なのだろうか。
(Ayako Jacobsson =東洋経済オンライン)

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