チッソ分社化の茨道、補償の原資となる事業会社の収益力は低下

チッソ分社化の茨道、補償の原資となる事業会社の収益力は低下

水俣病の公式確認から53年--。最終解決に向け、水俣病救済の特別措置法が8日成立した。同法に基づいて未認定患者に一時金が支払われる。原因企業チッソの念願だった分社化も盛り込まれた。

チッソは環境大臣の認可を前提として、補償を専門に行う「特定事業者」と「事業会社」に分かれる。親に当たる特定事業者が保有株売却で得る資金を一時金や補償金、債務返済の原資にする新たなスキームだ(下図表)。これに対し、「加害企業チッソの責任逃れを認める法律だ」(ノーモア・ミナマタ国賠等請求訴訟弁護団)と非難する声は少なくない。

終わらぬ補償金支払い ウルトラCの打開策

チッソが分社化構想を打ち出したのは10年前。認定患者への年間数十億円という補償金が負担となり、最終赤字に転落する期も多かった。債務超過が長く続き、いつ経営破綻してもおかしくない状況を打破するため、“ウルトラC”として分社化が編み出された。事業部門の売却資金を負債返済に充てるという画期的な提案だったが、国や県に受け入れられることはなかった。

だが、2004年に風向きが変わる。関西訴訟最高裁判決で、当時の認定基準よりも幅広い症状が水俣病として認められたのだ。これにより認定待ち患者が増加。行政と司法のダブルスタンダードも混乱を招き、新たな患者を決定する認定審査会は機能不全に陥った。背景には、すべての患者を認定すると、補償金を支払うチッソが倒産に追い込まれかねないとの事情もあった。

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