なぜ若者たちはこぞって「花畑」に行くのか? 変化する「リア充」アピール

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(3)慶應義塾大学3年Hさん
花畑に興味を持つ男子も登場

周囲の友達からイジられることが多い、愛されキャラのHさん。ひまわり畑を訪れたのは、ゼミ仲間との伊豆温泉旅行の帰りだという。訪れた理由は、「東京ではなかなか見られない光景だから」、そして「プロフィール用のいい写真が欲しかったから」だったという。

これまでの例と違うのは、花畑に行こうと提案したのが、男子だったということだ。花畑というといかにも女子らしい印象を受けるが、女子力の高い「女子力男子」の増加の影響か、最近では花畑に興味を持つ男子も増えているのかもしれない。

ほかにも、チューリップ、ガーベラ、ヒガンバナ、コスモス、ポピーなどの花畑を訪れる人も少数ながらいた。

なぜ、若者は花畑を訪れるのか

◎季節感を出すため

まず、いちばん大きな理由として考えられるのが、「花畑が物珍しくSNS映えするから」というものだろう。今回、話を聞いた大学生たちの中で、花畑で撮った写真をプロフィール画像に設定している人は、画像を選ぶ際「季節感」を大切にしていると話していた。

友達と季節ごとにさまざまな花畑を訪れていたDさんは、自身のプロフィール画像について「夏はひまわり畑で撮った写真にしていたけど、その前の季節はネモフィラ畑での写真にしていた」と話してくれた。季節ごとに、「その季節らしい」画像をプロフィール用に選択しているのだ。ほかの人も、たとえばひまわり畑で撮った写真をプロフィール画像に使用しいた3人は、その理由を「夏っぽさを出すため」としていた。

◎「ゆるい季節限定」であることが人気の理由?

それにしても、季節感を演出するうえで花畑が好まれるのはなぜだろうか。

それには、花が「ゆるい季節限定」であることが関係しているように思われる。今回、ヒアリングに答えてくれた人たちは皆、プロフィール画像を変える頻度はそんなに多くないという。そんな人たちには、プロフィール画像を変える必要に迫られる「限定された季節写真」は敬遠されるのだ。

たとえばクリスマスやハロウィーンなどシーズンの終わりが明確な「限定的な季節限定」は、そのイベントの終わりとともにプロフィール画像を変える必要に迫られる。一方で、「春っぽい」「夏っぽい」など明確な終わりの日がない「ゆるい季節限定」のものは、そのお気に入りの写真を自分の好きな時まで使用することができる。季節感を表すものが多々あるなかで、花が好まれる理由はこの「ゆるさ」にあるのではないだろうか。

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