株式会社インスパイア代表取締役・高槻亮輔(Part4・最終回)--“事業開発”を事業とする事業会社として発展させたい

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--マネジメントの要諦はどこにありますか。

任せられるかどうかでしょうか。最初はドキドキしますが、任せたほうが楽です。ただ、当社はまだ大きな会社ではないですし、バラバラな色を束ねなければいけないので、今は最後の責任は負うことにしています。ITを活用して任せた先のやりとりを見られるようにしていて、自分がイメージしているものとあまりにも違っていたら修正をかけます。

いずれ色鉛筆がそろって赤や青など色が濃くなってきたら、その色のヘッドにすべて任せようと思っています。

--どのような方法で修正をかけるのでしょうか。

基本的には、我慢です。限度を超えるまでは何も言わないようにしています。また、いきなり投げるのではなく、最初のブレーンストーミングのときに同席して思っていることを言います。否定されてもいいんです。否定されることも多いですしね(笑)。隠れてこっそりされるより、それくらいとんがってるほうがいいかなとも思っています。

今後の状況によって変わりますが、24色がそろうまでは、右向け右という感じでなくていいのではと考えています。

--今後の御社のビジョンをお聞かせください。

2000年4月の設立当初は、「信用や信頼をいかに蓄えられるか」ということが、成毛のテーマでした。最近ようやくそのベースが出来上がりましたので、今後はきちんと成長していけると思っています。

投資もファンドも継続しますが、インスパイア自体が事業リスクをとる方にシフトしたいですね。感覚的にはどんどん市場を開拓していった時代の商社に近いと思うのですが、インスパイアが事業開発を事業とする事業会社として認知され、あまたの企業に頼られて一緒に新事業を切り開いていけるように発展させていきたいと思います。

(写真:尾形文繁)

たかつき・りょうすけ
 1995年、慶應義塾大学経済学部を卒業、日本興業銀行入行。コーポレートファイナンスや審査部を経て、2001年インターネット総合研究所に入社。企業買収・事業投資を実践した手腕を買われて、同年インスパイアに入社。創業者の成毛眞氏に「若さを生かした柔軟性と機動力を併せ持ち、混沌とした経済環境の中に、一石を投じながら勝ち抜いていく最適な布陣」「永きにわたり私を支えてきた優秀な番頭」と言わしめ、08年に代表取締役社長に就任。

■CEOへの道は、エグゼクティブ向けの人材会社・リクルートエグゼクティブエージェント主催のセミナー「Road to CEO」との連動企画です。

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