フランスは「直感」の育て方が日本と全く違う

その音楽教育に見る感覚と理論の構築法

エッフェル塔を望むパリの街並み(写真:Iakov Kalinin / PIXTA)

昨年秋に首都パリで起きた同時多発テロ事件の痛ましい記憶が想起されるものの、依然として日本人の憧れが強い国の一つがフランスだ。その文化やライフスタイルなどをテーマにした書籍は安定した人気を持っており、今年に入ってからの2カ月だけでも複数の出版社からフランスのライフスタイルに関する書籍が発行されている。

日本人とフランス人の違いはどこにあるのか。日本では2020年度に大学入試改革を控え、近い将来、大きな価値観の変化が訪れようとしている。
求められるのは外から答えが与えられるのではなく、みずから答えを導き出す力。そのためには、まずみずからの「直感」を信じる力が大事である 。そのヒントがフランスにある。

集団に属し、多数派にくみすることの多い日本人に対し、フランスは個人主義。「まず自分ありき」だ。「我思う、ゆえに我あり」といった哲学者デカルトもフランス人である。自分は何を考え、何を着て、何を食べ、どんな環境に住み、どんな信念をもち、どう他人や社会と関わっていくのか、フランス人は一つ一つ自分の価値観で選ぶ。それがアイデンティティになるからだ。

先の見えない時代にこそ、想像力が求められる

その傾向は、新しいものを見聞きした時や、先の読めない状況に遭遇した時にも、顕著に現れる。たとえば現代音楽やコンテンポラリーアート作品を鑑賞する時、日本では専門家の意見や世間の反応などを加味しながら評価する人が多いといわれるが、フランスでは自分の中の直感に反応するという。

それにはちょっとした勇気が必要だが、どんなに小さな心の声にも真摯に向き合う。時には失敗もするだろう。でも「これだ!」というものに出会った時に力強く掴み取り、一歩一歩自分の力で歩んでいくことこそ、人生の醍醐味だと考えるフランス人は多い。実はこの直感が自分の軸をつくり、未来を切り開く道標となる。

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