「ゲームを人生に役立てる人」は何が違うのか

日常世界に生かすべきは「勝ち負け」じゃない

ゲームそのものをきちんと捉えてみると、私は決して、ゲームが嫌いだとは思わなくなりました。ゲームはあくまで「ゲーム」です。ゲームが終わったら、ゲームの結果ではなく、ゲームの時間の中で起きたことを、互いに讃え合えばいい。それはあくまで、ゲームの時間の中で起きたことであって、日常の時間とは別なんです。

ラグビーではゲームセットのときに「ノーサイド」という言い方をするそうですね。「ノーサイド」とは、勝ち負けに関係なく、自分も相手も、どちらも同じ立場ですよという意味だそうです。いい言葉だと思います。

ゲームが終われば、ゲームの時間の中で起きたことはもう関係ない。だから勝った人も驕ってはいけないし、負けた人もみじめな思いをすることはないんです。

ところが多くの人は、「ノーサイド」という捉え方ができませんね。ゲームの「勝ち負け」を、日常の世界に引きずってしまう。確かに、誰だって負けるのは悔しいですし、ときには自分が惨めに思えることもあるでしょう。でも、ゲームの時間は、日常生活の「現実」とは違う、もうひとつの「現実」を流れる時間であることがわかれば、純粋にゲームの時間を楽しめるようになると思うんです。

もうひとつの現実の中で自分を知る面白さ

私たちはどうしてゲームをやるのでしょう? この問いにはいろんな答えがあると思いますが、私は「ゲーム」というもうひとつの現実の中で、私たちは、普段知ることのできない自分に出会うことができるからじゃないか、と思うんです。

私たちが普段生きている、日常生活の「現実」は、人間関係や仕事関係などが邪魔をして、「本当の自分」がすごく見えにくい世界です。でも、ゲームというもうひとつの「現実」は、日常とは切り離されて、そこには相手と自分がいるだけです。だから、ゲームの中でしか見つからない「自分」に出逢うことができる。

それはある意味では、日常のしがらみとか、義理とか、責任から解放された本当の自分です。それに出会えたら、少しずつ、それを日常の「現実」に生かしていってみてください。自分にできないことがわかったら、少しずつできるように取り組んでいって下さい。自分の得意なところがわかったら、もっともっと磨いていって下さい。

たとえば、アープ理論を学んでゲームをされた方は、自分や相手の「姿勢」について発見があるかもしれません。超一流のパフォーマンスをする人は、必ず姿勢がきちんとしています。真っすぐに軸が立ち、運動中もバランスが崩れません。そういう人は心の軸、自分の軸もしっかりと持っていますから、ゲームの中で、緊張感に負けることもなく、素晴らしいパフォーマンスができる。

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