シャープ、鴻海の再建案を25日にも決議 臨時取締役会を開催し最終決定

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 12月18日、経営再建中のシャープの支援策として、産業革新機構が、液晶事業だけでなく、家電や複写機、電子部品の各事業も他社と統合させる案を検討していることがわかった。写真は都内の駅に描かれていたシャープロゴ。 昨年2月撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino )

[東京 20日 ロイター] - シャープ<6753.T>は20日、取締役で構成する経営会議を開き、優先的に交渉を進めている台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業<2317.TW>の経営再建策について議論した。政府系ファンドの産業革新機構からの提案を支持する声も一部にあるが、ホンハイの提案を軸に議論は進められており、25日にも臨時取締役会を開催し、最終決定する。

関係者によると、同社幹部は今週前半、台湾でホンハイと出資受け入れに関する正式契約に向けた交渉を実施。会議では取締役に交渉状況の説明があり、ホンハイから契約が守られなかった場合の違約金として1000億円の支払い提案があったことなどが報告された。ホンハイは7000億円規模を出資し、シャープを一体再生する再建案を提示している。

一方、ホンハイと並んで再建案を提案している産業革新機構を支持する声も一部にあり、革新機構案に関する議論も行われた。この案では、業界再編を軸としたプランを提示。シャープ本体に3000億円を出資するほか、液晶事業を切り離してジャパンディスプレイ(JDI)<6740.T>と統合するなどとしている。

ただ、主力取引銀行のみずほ銀行と三菱東京銀行による3000億円の金融支援が前提となっているが、両行の同意を得られる見通しが立っていない。

これに対して、革新機構関係者は「現在の交渉状況はコメントできないが、これまでの交渉の経緯から、シャープが機構案を選んだ場合には、銀行と合意できる必然性は相当に高いと考えている」とコメントした。シャープは20日の協議に関し「コメントを差し控える」(広報部)としている。ホンハイのコメントは得られていない。

 

(布施太郎、山崎牧子 志田義寧 編集:田巻一彦)

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