アップルCEO「捜査協力拒否」に大きな反響

製品購入者への影響は未知数

 2月18日、銃乱射事件の容疑者が使っていた「iPhone(アイフォーン)」のロック解除を米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)が拒否したことで、反対派と支持者の双方から強烈な反応が起きているが、アップルの決断が同社製品の潜在的な購入顧客にどの程度まで影響を及ぼすかは不透明だ。写真はサンフランシスコで昨年4月撮影(2016年 ロイター/Robert Galbraith)

[サンフランシスコ 18日 ロイター] - 銃乱射事件の容疑者が使っていた「iPhone(アイフォーン)」のロック解除を米アップル<AAPL.O>のティム・クック最高経営責任者(CEO)が拒否したことで、反対派と支持者の双方から強烈な反応が起きているが、アップルの決断が同社製品の潜在的な購入顧客にどの程度まで影響を及ぼすかは不透明だ。

クック氏は顧客向けの公開書簡で、カリフォルニア州サンバーナディーノで14人が殺害された銃乱射事件のリズワン・ファルーク容疑者の携帯電話のロックを解除する捜査当局の求めに応じ、「適切な技術的支援」を行うよう命じたカリフォルニア州の連邦地裁判事に従わない意向を表明した。クック氏は政府の要求に従うことが危険な前例となり、究極的にアイフォーンのセキュリティーが損なわれる可能性があると指摘した。

同社の製品利用者からはアップルの取った立場に対して賛否両論がわき起こり、ツイッターでは「ありがとうアップル」「アップルをボイコットせよ」などのハッシュタグに投稿が殺到している。

ツイッターのジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)はクック氏を支持するとツイッターに投稿し、クック氏の姿勢を称賛する国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルなどの動きに加わった。クックに批判的なグループの1人で保守系の政治コメンテーター、アン・コールター氏は、アップルの行動は「PR活動」が目的とソーシャルメディアに投稿した。

企業ブランドの専門家でコンサルティング会社ブランド・シンプルの創設者アレン・アダムソン氏は、クック氏の顧客に向けた率直な説明を称賛している。

同氏は「企業リーダーは、会社が何を支持しているのかに関してあいまいさがあったり透明性が欠如しているよりは、顧客が賛成か反対かを決められるように非常に明確で原則に基づく考え方を持った方が良い」と話す。

アダムソン氏や他の企業ブランドの専門家は、クック氏の書簡について、ユーザーが仮に同社の決定を支持しないにしても、議論を先取りする上で重要だと指摘する。

アップルは共和党議員や大統領候補のドナルド・トランプ氏から集中砲火を浴びているが、同社はプライバシー擁護派からは支持を得ている。

アダムソン氏は「これは現在、全米の矢面に立たされる問題となっており、非常に感情的で意見の分かれる問題だ。消費者にどう結び付くかは依然として不透明だ」と語った。

他のアナリストらも、アップルは自らのブランド力によって、どんんな直接的な消費者の反発からも身を守ることができると指摘する。ブランドコンサルタントのブランド・キーズが4万4000人の消費者を対象に最近実施した調査によると、アップルは顧客の関与や忠誠心に関してデバイスからサービスまでほぼ全ての分野で主要ハイテク企業のトップだった。

ブランド・キーズのロバート・パシコフ社長は「アップルは消費者との間に驚くべき高水準の感情的な結び付きがある」と指摘した。

サンフランシスコ中心部のアップルストアには18日、来店客の流れが絶えず、買い物客はこの論争には無関心のようだった。

ハイテク企業を退職したエスター・スターンズ氏は「アップルを買うのは製品の品質が理由だ。今回の件は購入の決定に影響しない」と話していた。

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