(第22回)現状を打破する変革人材の採用・育成のすすめ(後編)

(第22回)現状を打破する変革人材の採用・育成のすすめ(後編)

福井信英

 前回のコラムでは、どのような経営環境下でも利益を生み出すことのできる「変革人材」を採用する方法として、下記の3つの条件をまず満たす必要がある、と述べた。

1.変革人材の力を120%引き出し、活かす環境を整える
2.変革人材にターゲットを絞ったアプローチ(広報)を行う
3.変革人材かどうかを見極める選考プロセスを設計する
 今回は、変革人材の採用に成功している企業が具体的にどのように環境を整え、アプローチし、見極めているか、について紹介していく。

●変革人材の力を120%引き出し、活かす環境を整える

 「企業変革」を実現できるほどパワーのある人材の力を最大限活かすために、比較的多くの企業で取り入れられている方法が、「若手社員のみによるプロジェクト実行」だ。若手社員のうちには、内定者や新入社員までもがその範疇となる。

 プロジェクトの内容は、新サービスの企画・マーケティングといったものが一般的で、このプロジェクトを事業的にも人材育成的にも成功させるためには以下の7つのポイントを押える必要がある。

・サービスの開発から販売、納品まで、サービスの全工程を若手社員のチームに任せる。
・社内で完結するプロジェクトではなく、顧客など外部の人間の評価によって、成否がわかるプロジェクトにする。
・入社年次が同じか、近い年代でプロジェクトに取り組ませる。
・可能な限り、複数の部門からメンバーを集める。
・チームメンバーは6~8人。(難しければ3~5人でもよい)
・プロジェクト期間中に、社内のエース級の人材が定期的・継続的にレビューを行う。
・プロジェクト終了後にしっかりしたフィードバックを行う。

 サービスの全工程を若手社員のチームに任せ、プロジェクトの成否を外部に委ねることで、早い段階から、「事業創造」「経営能力」「収益に対する責任意識」を磨くことができる。

 また、入社年次を近づけることと、異なる部門から人材を集めることには、社員の自発的発言とフラットな意見交換を促すという効果もある。これによって、リーダーシップや創造性を見ることができるし、磨くこともできる。リーダーシップや創造性は、現在の大企業で最も求められる能力のひとつだが、皮肉なことに、完成された業務フローの中に若手人材を押し込めてしまうことで、彼らのリーダーシップや創造性を見抜き、磨く機会を奪ってしまっているケースが往々にしてある。

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