通信業界の値下げ消耗戦は最終局面、主戦場は新端末開発に移行

3月、NTTドコモと富士通がソフトバンクモバイルと東芝に対し、販売差し止めの仮処分申請を行った。ソフトバンクモバイルの新製品「かんたん携帯」(東芝製)が、中高年向け携帯として人気を誇る「らくらくホン」(富士通製)にあまりに似すぎているというのが、ドコモ陣営の言い分だ。ニッチ分野でも、端末競争の激しさが増している。

今や契約数1億台を突破し、右肩上がりの時代に終わりを告げた携帯業界。全体のパイが増えない以上、各社の成長余地は、1契約当たり月間収入(ARPU)の拡大か、他社からの顧客奪取によるシェア拡大しか残されていない。その際、一段と重要性を増しているのが、端末競争である。

振り返ってみると、2007年の主役はソフトバンクだった。いち早く端末の割賦販売を導入し、ホワイトシリーズによる低料金化などによって新規顧客を獲得した同社は、07年5月以降、純増シェア首位を走っている。08年に入ってからも、最大の書き入れ時である春商戦に向けて、学生対象の大幅な割引キャンペーンを発表し、業界に激震が走った。ソフトバンク躍進の主因が、低価格化であるのは間違いない。

2月、KDDI(au)とドコモが相次ぎ「家族間通話無料」を打ち出したのも、「ホワイト家族24」で先行するソフトバンクに追随するものだ。これによる収入減影響額はKDDI250億円、NTTドコモ800億円。ドコモはiモードの値上げがあるので一部相殺されるとはいえ、2社合計で1000億円強の減収になる。小野寺正KDDI社長は「他社との競争に勝っていくためには、価格競争も一部やらざるをえない」と認めている。

ソフトバンクに勢いを奪われたKDDIと、シェアを奪われ続けたドコモ。価格競争はいつまで続くのか。


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